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マイナーリーグを初観戦 その2

10.7.29

その2では、ソフト面で気付いたことを書きます。

最初に思ったのは、最近の日本のプロ野球には、かなり米国のアイデアが取り入れられているなということです。
ちびっこたちにベースランニングを体験させる時間があったり、「プレイボール!」と子供が言ったり、イニング間にはスタジアム内のいろんなところにアナウンサーが現れて観客と絡んだり、と、「これは、札幌ドームで見たな」とかいうのがいろいろありました。

札幌や仙台など比較的最近、本拠地になったところの人はあまり気付いていないかもしれませんが、日本のプロ野球の球場内の風景は10年前に比べたら、劇的に変化しています。歴史的には、2004年の合併問題、ストライキ、新球団(楽天)創立というのが大きな転換点だったというのは、いまさら僕が言うことでもありませんが。

その上で、今回観戦して、これは使えると思ったアイデアが2点ありました。

(1)プロモーショングッズは長持ちするもので

イニング間に3回ほど、スタンドにTシャツが投げ入れられました。野球のデザインがあった上でスポンサー名も入っています。
こんな感じ


各回の色やデザインがすべて違っていたので、球団が用意したものではないなというのが僕の推測で、近くの係員に聞いてみると「そう聞いたことがある」。つまり、球団は出費なしで、スポンサーの宣伝を行い、観客にも喜んでもらえる仕組みという訳です。

そして、Tシャツなので早速着ている人もいましたし、その日限りというのでなく、ある程度長い期間着てもらうことになるので、常に宣伝をしてもらえていることになります。
日本だとチラシやうちわが配られたりしますが、すぐに捨てられるものは「宣伝効果の持続」という点で劣っています。ゴミを片付けるのも手間です。この日はTシャツではなく、大きめのやわらかいボールが投げ入れられて、それを店に持っていくと食べ物が割引になるというプロモーションもありました。これだったら捨てないでしょう。

(2)シニア層の活用
スタンドの座席の各ブロックにいる係員は、若手が一人もおらず白髪の人も珍しくありません。
僕の座ったブロックは、このおばさんでした。

そして、シニア層ならではの存在感が、この仕事に生かされています。
まず、子供の扱いがうまい。
赤ちゃんをあやすのはお手の物。はしゃいだり、ファウルボールの取り合いをする男の子を諭したりします。
常連客とは気さくにコミュニケーションを取っていて、お客さんもこの人たちに会うのが楽しみで球場に来ているという感じです。
飲み物やアイスクリームの売り子さんとも会話をしています。
決して堅苦しいという感じではなく、それでいてその姿は「ここは私のブロックだから、みんなに気持ちよく過ごして欲しい」というプライドがにじんでいました。
若いアルバイトの係員に注意されるとむっとする客もいるかもしれません。彼らにはなかなか出せない人生経験を積んだ味わいが、球場の雰囲気づくりに大きく貢献していました。
高齢化社会へと進んでいる日本にも元気なシニアが増えています。時間とお金にゆとりがあるのでスポーツの観客としても魅力がありますが、働いてもらう人材としても貴重になるなと感じました。

今回のインディアナポリス・インディアンスの試合観戦レポートは以上です。これからもこのスタイルは継続していきますので、お楽しみに。

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この記事の執筆者

早川 忠宏

早川 忠宏 | Tadahiro HAYAKAWA

スポーツPRプランナー ®
Sports PR Japan 株式会社 代表取締役

13年間の記者経験と米国留学を経て広報に転身。日本ブラインドサッカー協会で初代広報担当として認知度向上に貢献し、PR会社でのコンサルタント経験も豊富。スポーツビジネスに特化した広報支援を展開し、メディアとクライアントへの深い理解を基に、ブランディング強化や認知度向上をサポート。スポーツ関連団体や企業に対する柔軟な対応で、成長を目指すスポーツ関係者から高く評価されている。

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