ブログ|SPORTS PR JAPAN

SPORTS PR JAPAN スポーツPRジャパン

スポーツマネジメントで働く人になるための観戦術

10.8.2

先日までのマイナーリーグ、インディアナポリス・インディアンスの観戦レポートのように、僕はこれまで試合を見に行って気付いたことやアイデアを書き溜めるというのを続けてきました。(取材とは別です。一人の観客として切符を買っていきました)
学んできたアイデアを、時にはスポーツ関係者にぶつけたこともありました。話しているうちに、さらに新しいアイデアが生まれることも。
「スポーツマネジメントの現場で働きたいと思っているけど、何の人脈もないのでどうしたらいいのか、わからない」という人でも、これならすぐに始められると思います。
僕は、大きく分けて3つのポイントを意識しています。

(1)コンサルタント目線
スポーツの現場に到着したらすぐに「自分がこの現場のコンサルティングを依頼されたら、何をどう言うか」という目線で見ていきます。心地よいと感じたこと、逆にイラッとすることがあった場合に、その要因はどこから来て、どうすれば徹底または改善できるのか?と考えを深めていきます。
例えば、先日のインディアナポリスでの野球のマイナーリーグに行った時に、「シニア層の案内係はよい」と感じました(内容は「マイナーリーグを初観戦 その2」まで)。これを他の現場に取り入れようとした場合どうするのかを考えました。まずは、スタッフの採用時に、求めるような振る舞いができる人かを見極める必要があります。それから、案内係は誇りを持って取り組める仕事であるという気持ちになってもらうための研修が必要でしょう。安全管理の責任、その他の裁量も相談して決めなければなりません。意欲を持続するために、「きょうはお客さんとの関わりの中でこういう気持ちいいことがありました」というような楽しい報告会をすることも仕組みとして大切かもしれません。それらにかかる金銭的コストや時間的な労力もイメージできるでしょう。
このようにただ「よかった」「悪かった」というだけで思考をストップさせないことが大切です。

(2)垂直と水平の比較
垂直というのは同じスポーツでいろいろなカテゴリーを見ることです。日本のサッカーなら、J1、J2、JFL、大学、高校という感じです。同じ会場でも主催が変わると、スタジアムの雰囲気は違ったものになります。ハードが同じなら、ソフトだけの比較がしやすいです。たとえば、神宮球場でも学生野球の時とスワローズの時は、係員の数も違うし、サービスも違います。どこにお金をかけているのかを考えたり、どういう意図でそこに人を置いたりしているのかと考えます。
水平というのは、違うスポーツの比較です。例えば、仙台はプロ野球、Jリーグ、バスケ(bjリーグ)があります。地域密着ということで基本的にはほぼ同じマーケットを対象にしているはずです。しかし、違いは結構あります。
売店で売っている食べ物を比べても違います。クリネックススタジアムでは郷土色を前面に押し出したメニューが並んでいることに気付くと思います。応援スタイルも違うし(チーム側がリードしているのかどうかにもよる)、場内の司会者のノリも違うし、販売されているグッズも違います。客層の違いも見えます。
もちろん、クラブによって予算規模が違いますから、できることとできないことがあります。お金のない中で工夫しているのは何か? お金があるだけであまりアイデアのないことをやっていないか?なども見るポイントになります。

(3)一人で見に行く
「スポーツはやっぱり、スタンドでビールを飲みながら騒いで見るのが最高!」という人。僕の考えでは、こういう人はスポーツマネジメントの現場で働くのは向いてません。他の仕事でお金を稼いで、スポーツ観戦を趣味として下さい。
変わり者と思われるかもしれませんが、僕は勉強のためのスポーツ観戦は必ず一人で行きます。大学生のころは友人を誘うこともありましたが、僕があまりに見ることに真剣で、ほとんど話さずお互いつまらないので、やめました。同行者とコミュニケーションを取るのに気を使っていては、なかなか他の事を感じ取ることができませんでした。
会場の外も中もぐるぐる何週も回ります。試合前も試合後も何が行われているのか見るので長い時間滞在し、途中で帰ることはありません。もっと言うと、試合の勝ち負けはどうでもよいので、同行者(特にスポーツ好きの人)がいた場合、話がかみ合わなくなります。

音楽の世界で生きていくのなら、コンサートにいったり、いい曲をたくさん聴いたりするでしょう。建築家になりたいのなら、世界中のユニークな建築に興味を持っているはずです。
現場を見に行けるチャンスは、年間で数えると多いようで少ないのではないでしょうか。スタジアムで何が起こっているのか。五感を研ぎ澄まして感じ取らないともったいないです。
最初はノートに書けることも少ないでしょうが、だんだん経験を重ねると比較ができて、深みが出てくると思います。早速、始めてみませんか。

月2回配信スポーツビジネス・PRの最新情報をお届け

スポーツPRプランナーが現地で得たリアルな事例や業界の最新トレンド、
人脈づくりのヒントなどスポーツビジネスに携わる全ての方々に向けて配信中!

この記事の執筆者

早川 忠宏

早川 忠宏 | Tadahiro HAYAKAWA

スポーツPRプランナー ®
Sports PR Japan 株式会社 代表取締役

13年間の記者経験と米国留学を経て広報に転身。日本ブラインドサッカー協会で初代広報担当として認知度向上に貢献し、PR会社でのコンサルタント経験も豊富。スポーツビジネスに特化した広報支援を展開し、メディアとクライアントへの深い理解を基に、ブランディング強化や認知度向上をサポート。スポーツ関連団体や企業に対する柔軟な対応で、成長を目指すスポーツ関係者から高く評価されている。

→詳しいプロフィールはこちら

アーカイブ

興味を持った方へ

CONTACT US

メールマガジン登録

業界の最新情報をお届け無料メルマガ登録