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人はなぜメディアに触れるのか(2)

10.10.4

以前に、人はなぜメディアに触れるのか、というクラス内での議論について、このブログに書きました。先日、その続きとなるような議論があったので、それについて書きたいと思います。
この「Sports and New Media」というクラスは、体の大きな教授が教卓の上に座りながら、トークをしていくスタイルなのですが、人数が14人しかいないのでこじんまりとして、話し合いの密度が濃くて、毎回満足度が高いです。英語で話についていくのは大変なんですけどね。

なぜメディアに触れるのか、については
Uses and Gratificationという古いコミュニケーションの理論があるそうです。(ここでは、メディアとは新聞、テレビなどの旧メディアと、ツイッターなどの新メディアの両方を含みます) 何らかの満足感を得るため、目的を満たすためだと。積極的にメディアを選び、またメディア以外の情報源(口コミとか)と比較して決めているというわけです。

例えば、ツイッターだと
大勢の人とリアルタイムでつながれる。会うことが極めて難しい人(有名人や遠くに離れている人)ともつながれることがある、という満足感があります。
フェイスブックなら
実名で知っている人のネットワークの今の活動がわかる、逆に自分のことをみんなに報告できる、という満足感があります。

新聞、テレビ、ラジオ、雑誌の旧メディアと、ユーチューブ、ブログなどの新メディアを使うとき、それぞれ自分の何を満たしてくれるのか、考えてみて下さい。これがまず1歩です。
取り分け、スポーツ団体にいる方など、自ら情報発信する場合は、どの媒体が効果的なのか、役割分担というのを意識する必要があると思います。

次に、メディアのコンテンツの意義の分類です。クラスでは、みんなから6つ挙がりました。

(1)Entertainment
お笑いのテレビ番組とか、フェイスブックの面白い写真とか。スポーツだと、チームのマスコットキャラクターの日誌みたいのがあったりしますね。

(2)Socialization
みんなとのつながりのこと。ツイッター、フェイスブックは言うまでもありません。あるチームのファンサイト、自分が住んでいる街の広報誌なんかも、これに当てはまるでしょう。スポーツの現場なら、スポーツ団体自体がこの場を設けていることもありますね。

(3)Ego
野球中継を見て「きょうも阪神勝ったわ~」という大阪のおばちゃんは、これです。「負けやがって、ちきしょう」というのもこれです。

(4)Information
試合のスケジュールを確認するのに、公式サイトを訪れるのはこれ。スポーツ新聞でプロ野球の勝敗表を見て、「1.5ゲーム差か」とつぶやくのもこれ。

(5)Identification
さほどコアなファンじゃなくても、試合結果を気にしてるチームがあるとか、毎日、スポーツ新聞のサイトはチェックして、自分がスポーツファンであることを認識しているというのはこれです。僕もアメリカに住んでいるけど、サッカー日本代表の情報はウェブでチェックしています。

(6)Relaxation
音楽を聴いたり、映画をみたりするのと同じような感じで、スポーツ中継をなんとなくテレビで見ているということはありませんか。

ひとつの行動がどれか一つに分類されるというわけでなく、複合的になっていることもあると思います。情報発信する場合は、まったくやっていない部分があるとか、どれを満たしているのか中途半端なポジションの情報発信をしていないか、振り返ってみるとよいのではないでしょうか。

「訪れる人は何をしたがっているのか」を常に考えましょう。
なんとなくやっていることを意識的に取り組むようになるのが、学問の意義の一つなんじゃないか、と思っています。
僕もまだブログ、ツイッター、フェイスブックの使い分けを試行錯誤しています。

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