こちらに来てから、メールなどで日本の人から「アメリカでは何が一番人気があるスポーツですか?」と聞かれます。
日本だと大リーグの報道が大量にあるので、野球という気がするかもしれません。しかし、半年をこちらで過ごしてみて、やっぱり(アメリカン)フットボールなのではないかな、というのが率直な気持ちです。
今はちょうどカレッジフットボールがボウルゲーム(シーズンのランキング上位校による招待試合)の時期で、NFLもレギュラーシーズンが終わろうとしています。NFLのゲームがある日曜日は、インディアナポリスだけでなく、大学のあるブルーミントンでもコルツのユニホームを着ている人を、スーパーの中などそこら中で見かけます。店員や空港のチケットカウンターの係員もユニホームを着ていたりします。「昨日コルツ勝ったね」というのが、あいさつ代わりになっていたりします。
もちろん地域によって盛んなスポーツというのは違うと思いますが、NFLの日常生活への食い込みぶりというのはちょっと他のスポーツとが違う感じがします。本当にみんなの共通の話題になっています。
クラスメートやスポーツマネジメントの教授のようなスポーツ好きは、テレビとネットを使って複数の試合を同時に楽しんだりしているそうです。NFLのスーパーボウルは国民的行事になっているのは日本でもよく知られています。
プロほどではないにしても、カレッジでも試合の日は注目が集まります。非常に弱いインディアナ大学のフットボールだって、テールゲートパーティー(試合前に駐車場で行う)で朝から盛り上がって、試合をやっている間は街が静かになります。歴史と伝統ではバスケットボールの方がはるかに上ですが、試合の日に盛り上がっているのはファンだけです。
NFLはリーグ全体の利益を考え、収益を上げ、「世界で最も成功したプロリーグ」と言われていることはスポーツマネジメントを志す人なら「常識」と言っても過言ではないと思います。僕ももちろん知っていました。しかし、そうした経営の成功の土台になっている人気、生活への密着度というのは、こちらに来てみないとわからなかったです。
フットボールの歴史を振り返ると、大学の対抗戦から歴史が始まって、しばらくは大学の方が人気が上でした。NFLの成功は「頑張って作ったもの」であることはスポーツマネジメントを学ぶ上で忘れてはいけないことだと思います。