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自分が思う、スポーツにできることとは

11.3.27

前回からの続きの話です。いきなりこのページから読むのは、できれば避けていただきたい。

 

「スポーツができること」に入る前に、僕はまず「スポーツが持っているもの」を考えました。

以前に「スポンサー提案書の書き方の基本」で書きましたが、他者に何かを提供する前には、自分が何を持っているのかを整理することが有効であると思います。以下は実例から考えたことです。

(1)注目度、知名度

有名選手や有名チーム、クラブが、今回の大災害にすぐに反応してメッセージを送ってくれたことは、スポーツファンを中心に関心を高めることにつながったと思います。特に、ヨーロッパのサッカークラブなど遠く離れた外国にも広まった時はスポーツの力なのかな、と個人的には思いました。また、自分の持ち物のオークションなど、知名度を生かし、有効なチャリティーの窓口になっているケースもあります。

(2)金銭

スポーツ界の一部のトップ選手は高収入を得ています。金銭的な支援と言うのは必要ですし、額が大いにこしたことはありません。また、試合会場は多くの人が集まり、お金を集められる場というものを持っているとも解釈できます。

(3)活力、リフレッシュ

「こんな時にスポーツをしている場合なのか」という迷い、悩みを多くの選手が吐露していました。直後にすべきことではないのかもしれません。しかし、スポーツを観て、すっきりとした気持ちや活力を得ることは間違いなくありますし、スポーツで体を動かすことが心身の健康につながることは科学的にも証明されています。その機会の手伝えることは、スポーツが持っているものの一つです。被災者への用具の提供というのは、ここにつながる具体的な行動です。

(4)施設

いくつかのスポーツ施設が避難所として提供されています。多くの人を収容できる公共の場です。(2)の後半で書いたような意味もあります。

(5)精神的なつながり

これは3種類あるかと思います。応援団やサポーターという団体、特に所属はしていなくても、ある競技やチームや選手が好きだという時点で、そのファンたちの間には精神的なつながりができています。これが活動を行う場合に、にわかに集まった人が人間関係の構築からやっていく場合よりもスムーズにいくような気がします。今なら、ソーシャルメディアですぐにコミュニケーションも取れます。実際の場を見ておらず、想像でしかありませんが、例えば、救援物資を集めようというような活動でプラスに働くのではないでしょうか。また、ファン間ではなく、ファンとチーム、選手の間にも精神的なつながりがあります。救援の呼びかけに応じる時に「あの人がいうのなら」と、すっと動きやすい感じがします。日本になじみのある海外の選手が、プレーしている国などのファンにリーチできるというのもスポーツの強みかもしれません。それから、団体同士がすでにつながりを持っているケースも見られます。同じ競技で他の地域の団体が支援するのは当たり前に行われています。

(6)スポーツマンシップ

非常に感覚的なことで、説明がうまくできていないかもしれませんが、先日の選抜高校野球大会の開会式、選手宣誓をYoutubeで見て、パッと思い浮かんだことです。彼のメッセージが僕の心に響いたのは、高校野球というスポーツが持っているイメージと重なったからではないかと。彼が口にする「仲間」とか「一丸」という言葉には力がありました。その大切さが身にしみて分かっている人が発しているからです。スポーツマンシップという言葉自体も深く考えることが大切なのですが、僕は「他者(仲間、相手、審判ら)の尊重」だと解釈しています。

「スポーツが持っているもの」は、もちろん他の人は違うように解釈すると思います。いまのところの僕の頭に浮かんでいる考えは以上のようになります。

 

そして、「スポーツができること」は、これらの要素を単独、または組み合わせて使うことから来るのだろうと考えています。

例えば、選手が募金箱を持って義援金を呼びかけることは(1)と(5)、チャリティーマッチは、(1)から(6)すべての要素を含んでいるような感じでしょうか。

実際は、先に実例、行動が起こっているわけなので、それは何番の要素かと分けることに意味はありません。ですが、このように要素を分けて考えると、その組み合わせから、まだ誰も気付いていないことが創造できるかもしれません。

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