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走るだけじゃ、つまらない人へ

12.9.18

今回の記事は、この前乗ったサウスウエスト航空という飛行機の機内誌に載っていた記事から一部内容を付け加えて紹介したいと思います。

日本でもランニングブームといわれて久しいですが、アメリカではジョギング、ランニングをしている人の数は非常に多いです。いろんなところに旅行しても、朝の公園や街中で走っている人を必ず見かけます。大会もたくさんあります。ボストン・マラソン、シカゴ・マラソンのように世界のトップ選手が出場する大会もあれば、ブルーミントンのような田舎で地元の人が楽しみにしているこじんまりとしたイベントもあります。そこに新潮流があるのでは、というのが機内誌の記事の主旨です。

どのレースにも、大会に向けて一生懸命練習して、自己ベストを更新しようというシリアスなランナーはいますが、その他にももっとカジュアルに楽しんでいる人がいます。仮装したり、メッセージを書いたTシャツを着ていたり、仲間やグループで一緒に走ることを目的としたりする人たちです。そして、記事によると、そのような「ファン・ラン」(ファンは「楽しむ」の意)に特化した大会が最近、アメリカでは増えてきているそうです。

記事で紹介されているのは以下のレースです

The Color Run (全米各地、オーストラリアでも)

距離は5キロ。白いシャツを着て走ることが条件。1キロごとに違う色の絵の具が噴き出す(同時に、スタッフが絵の具を掛ける)ポイントがあり、完走するころにはかなり楽しい感じに。レース後はその姿のまま、踊ったり、騒いちゃおう、という企画。もちろん、絵の具は健康に害のないものだそうです。

Muddy Buddy (全米各地)

5-7キロぐらい。2人一組でレース。ひと言で言うと、泥んこ、障害物レースです。

Rock’n’ Roll Marathon (全米各地)

記事中では、こうした「ファン・ラン」のイベントの先駆けとして紹介されている。1998年から開催。フルマラソンではあるが、コース沿いにロックバンドなどが演奏するステージが1マイルごと、合計26箇所あり、他にもチアリーダーらがにぎやかに声援を送る。

Riverwest Beer Run & Walk (ミルウォーキー)

米国の有名ビールブランド「ミラー」の街です。1.8マイル(2.9キロ)ほどを走るか歩く間に給水所ならぬ、”ビールストップ”が4つあり、必ず飲まないといけないそうです。スポーツと言うよりはお祭りですが、36回も行われているのだとか。

Las Vegas Great Santa Run (ラスベガス)

5キロ。みんながサンタクロースの格好をして走ってます。何千人もいると笑ってしまうくらいの壮観です。参加者には衣装が支給されますので、自宅に持ち帰って後日クリスマスパーティーで使ってもらってもOK。クリスマスらしく、チャリティーにもなっています。

Firefly Run (全米7か所)

fireflyとは「蛍」のことです。もちろん、夜に開催されるレースで、出場者は光るもの、コンサート会場で見かけるような光る腕輪やヘアバンド、またチカチカするライトなどを身につけて走ります。距離は5キロと10キロ。光るアイテムでいかに魅せるかのファッションコンテスト的な要素もあるようです。アメリカには街灯があまり明るくないところが多いですから、こうしたレースも可能です。

Hero Rush (全米7か所)

消防士の訓練風の5キロレース。子供用の短いコースもあり。ロープを登ったり、火が出て熱い所の近くを走ったりと、結構タフな感じ。なので、走り終えた達成感はあるのではないでしょうか。「子供のころ、消防士になりたいと思ったことはないですか?」というキャッチコピーがくすぐります。

Run For Your Lives (北米11か所)

命のために走る、って大げさなという感じですが、中身は障害物レースプラス鬼ごっこです。ゾンビの格好をした”鬼”がコース上にいて、出場者を追いかけます。全力で逃げなければならないので、ただの障害物レースでは物足りない人向き。出場者は両腰にタグをぶら下げていて、ゾンビはそれを奪い取ります。一つでもタグ残っていてゴールすると、”生還者”として賞がもらえる仕組みです。

Bay to Breakers (サンフランシスコ)

100回を超える歴史があります。12キロ。普通に走る人もいますが、仮装レースとして有名でかなりぶっ飛んだ格好でもOK。全裸でもOK(主催者は2009年に一度禁止しようとしたが、伝統を守るべきとの市民の意見が強く、押し返された)。

Lilac Bloomsday Run (ワシントン州スポケーン)

ランニング+コンサートという感じで、コース沿いで約30箇所のライブ演奏が行われており、それを聞きながら走る。どれがお気に入りだったかをレース後に投票する。12キロ。1976年から開催。お気に入りのMP3プレーヤーもこのレースではいらないってことですね。

Spartan Race (北米各地とロンドン、他の国にも展開を予定)

軍隊の訓練風のタフなレースです。有刺鉄線の下をくぐったり、重いものを引っ張ったりと、体を鍛えてない人には無理そう。ランクは4つあり、一番きついDeathというレベルは丸2日間にわたるものだとか。負荷が大きければ、仲間と分かち合う喜びも大きいということです。

 

リンクを貼っておきましたが、ほとんどの大会はサイトが充実してますし、動画も非常に効果的に使われています。レース後にコンサートやパーティーも行っているようです。こういう弾けるような体験をした後は、ソーシャルメディアで写真を見せたくなるものなので、ファンサイトを作ったりとそのあたりもうまくフォローしています。

鍛錬や自分への挑戦だけがテーマじゃないんですね。心から笑ったり、友達と楽しみを共有したりすることが目的で、そのためにこうしたスポーツ的なイベントを使っているというイメージでしょうか。こういうのをみると、日本人って真面目すぎるのかなと思ったりもします。とともに、スポーツが与えてくれるものってまだまだ幅が広く、奥が深いんだなあと感じました。

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この記事の執筆者

早川 忠宏

早川 忠宏 | Tadahiro HAYAKAWA

スポーツPRプランナー ®
Sports PR Japan 株式会社 代表取締役

13年間の記者経験と米国留学を経て広報に転身。日本ブラインドサッカー協会で初代広報担当として認知度向上に貢献し、PR会社でのコンサルタント経験も豊富。スポーツビジネスに特化した広報支援を展開し、メディアとクライアントへの深い理解を基に、ブランディング強化や認知度向上をサポート。スポーツ関連団体や企業に対する柔軟な対応で、成長を目指すスポーツ関係者から高く評価されている。

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