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Twitterならスタジアムの中に参加できる

13.11.20

先週末、バレーボールの「グラチャン」を見て、「おっ!」と思いました。

CM明けにちらっと目に入ったのですが、タイムアウトをとっている時に、サイドフェンスのデジタル広告の表示が変わって、炎のような背景の中、Twitterで募集された応援メッセージが流れるのです。

日テレが自社サイトで募集している「ツイートアタック」という名称のようです。http://www.ntv.co.jp/volleyball/tweet_attack/index.html

25字以内という制限がありますが、あれだけ大きく出れば、場内の観客はもちろん、選手の目にも触れたのでしょう(試合に集中しているので、どの程度かはわかりませんが)。

 

スタジアムの外にいるのに、スタジアムの中に携わることができる。これは、スポーツファンにとっては夢の企画ではないでしょうか?

テクノロジーが発達していなかった時代には不可能なことでした。試合中に選手に気持ちを伝えたいなら、チケットを買って会場に行くしかなかったんです。しかし、その壁をポンと越える企画が実現したわけです。どのような仕組みでやっているのかはわかりませんが、掲載するメッセージは主催者側が選んでいるはずです。みんなの目に触れるように大きく映し出されるのは、会場で大声を出すよりも大きなインパクトを与えます。短いひと言ではありますが、会場内のムードづくりに貢献できることになります。

この企画は他のスポーツにも応用できます。

プロ野球なら、打席に立つ選手がスコアボードに映る時に使えます。たいがい決まったパターンの動画と音楽で紹介され、その日の前打席までの結果と通算成績が出るくらいです。これに、その状況に合った毎回違うファンからのTwitterによるメッセージが流れたら、もっと楽しいでしょう。選手の励みにもなるし、球場で見ている人にも変化があって面白いです。

テニスやバスケットボールなど、インターバルのあるスポーツは、バレーボールと同様の方式でよさそうです。サッカーなら試合前の選手紹介の時に、募集された毎回違うメッセージが出ると面白いですね。テレビ中継では流れない場面なので、選ばれたかどうかがわからないという難点はありますが。

チームを経営する側の観点から考えると、ひとつ難点があります。スタジアムの外からツイートだけをしていては、チームに収入をもたらさないという点です。その点を解消する方法を考えてみました。

それは、この企画に参加するためのハッシュタグを企業のプロモーションと提携することです。Twitter社が提供するこの「プロモトレンド」という広告は、1日1社限定で、何百万円もの費用がかかります。日本のスポーツのスポンサーシップとしては高額な部類に入るでしょう。なので、莫大な広告費を持っている企業が、ここぞという時に使う感じで、毎日できるものではなさそうです。企業は認知度を上げたい商品名やキャンペーンの名前などを作り出し、参加者には無料で特別な体験を与えながら、宣伝してもらいます。「俺のメッセージが選ばれた!」なんていう自慢はツイートで拡散される可能性が高そうです。

今回の「グラチャン」では、メッセージを送ってくれた人の中から抽選で商品をプレゼントという形でした。これだとコストは安く済みます。また、場内のスクリーンにメッセージを載せる際に、広告を挟むという方法も取れます。

いずれにしても、ファンのメッセージは注目度を高めるため、そのスポーツに深くにコミットするために使われ、その注目度や関心を使う企業がお金を払うという形がよいと思います。スポーツの生中継とツイッターは大いに盛り上がるので、その点が他のタイプの広告に対して優位となります。

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この記事の執筆者

早川 忠宏

早川 忠宏 | Tadahiro HAYAKAWA

スポーツPRプランナー ®
Sports PR Japan 株式会社 代表取締役

13年間の記者経験と米国留学を経て広報に転身。日本ブラインドサッカー協会で初代広報担当として認知度向上に貢献し、PR会社でのコンサルタント経験も豊富。スポーツビジネスに特化した広報支援を展開し、メディアとクライアントへの深い理解を基に、ブランディング強化や認知度向上をサポート。スポーツ関連団体や企業に対する柔軟な対応で、成長を目指すスポーツ関係者から高く評価されている。

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