今日は、東京マラソンですね。
2007年から始まって、すごく巨大なイベントになり、プレミアム感が高まっていると感じます。
僕はこれまで仕事の都合で行けなかったり、アメリカに住んだりで、去年初めてこの目で現場を確かめました。その時の率直な感想ですが
ものすごくたくさんの人が同じ場にいるけど、やっていることがバラバラ
でした。
例えば、ボランティアであることに自己満足してしまって偉そうな人たち、ランナーにお尻を向けて演奏している楽団とそれをランナーそっちのけで見ている人たち、便乗商売的なものなどなど。それぞれが「東京マラソン」というブランドを使いたいだけという印象がぬぐえませんでした。
僕はスポーツの現場で味わえるものはいろいろありますけど、「一体感」というのが一番楽しいんじゃないかと思っています。
それを心から実感したのが、留学先の大学のバスケットボールやフットボールの試合でした。(参考記事:「フットボール初心者向け観戦会を開く(2)」 「スポーツに関わる動機って?」)それを踏まえて、東京マラソンの一体感を増す方法、もっと楽しくする方法をここで提案します。
(1)みんなが同じ方法で応援する
例えば、ランナーへの声掛け。使う言葉を「ガンバレ」だけに統一してしまう。
ランナーはどこを走っていても、「ガンバレ」の波の中にいるような感じを味わう。たまたま、同じ場に居合わせた人が「せーの、頑張れ~」と声を一つにしてみる。外国人ランナーにも「ガンバレ」と言い続けられたら、何か気になるだろうし、覚えてもらえそうでしょ。
同じ掛け声だけだと面白くないので、「ガンバレ」を言う時の身振りも統一する。
大会HPで事前に動画を流しておけば、大丈夫。簡単な振り付けで、老若男女みんなが覚えられるものを。知らない人同士でも、同じことをすると仲良くなれる。これは別にスポーツに限ったことではなくて、コンサートでもありますよね。タオルを回すとか、ジャンプするとか。あれで、参加している意識が高まる。現場にいるのにできないと恥かしくなるので、日本人はまじめだから練習すると思います。もちろん、沿道にいる楽団などのパフォーマンスグループも、この音楽しか流せない、やっていいのはこの振りだけと徹底します。
(2)大会カラーを統一する
人間は情報の8割を視覚から得ていると言われていますから、一体感を出すのに視覚の効果というのは大きいと思います。
ランナーの皆さんは、思い思いの格好で全然結構です。大会スタッフは役割ごとに赤、青、黄、白のウエアを着ています。例えば、それとは別に、応援する人は全員緑色の服で、と決めます。
緑は、東京都のシンボルマーク(銀杏の葉みたいな形)の色です。幸い、大会スタッフのウエアの色や、警察や消防の色ともかぶっていません。アメリカだとセントパトリックスデーと言って、緑色のものを身につけたり、パレードをする日がありますが、そのビジュアルイメージに近いです。また、意図せず「環境への意識高いです!」みたいな感じにもなります。
沿道の人たちが緑一色だと、走っている人から見たら壮観。緑の人の帯と、東京タワーや浅草寺とのコントラストもきれいで、写真を撮ってソーシャルメディアで拡散されること間違いなし。スクールカラーを身につけることで大学への帰属意識が高まるように、みんなが同じ色の服を着ることで大会への帰属意識も少しずつ出てくるのではないでしょうか? そうすると、自分はランナーで出るのは無理だけど、毎年この大会を応援に行くのが楽しみ、という人も出てくるかもしれません。
一番の強敵は、日本人のシャイなところだと思いますが、こういうのって、一人ひとりがノリでやっちゃうのがいいと思うんです。やって下さいと頼まれるんじゃなくて。なので、キャッチコピーも「東京がひとつになる日。」じゃなくて「東京をひとつにする日。」に変えたら、いいんじゃないでしょうか?
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Sports PR Japan 株式会社 代表取締役
13年間の記者経験と米国留学を経て広報に転身。日本ブラインドサッカー協会で初代広報担当として認知度向上に貢献し、PR会社でのコンサルタント経験も豊富。スポーツビジネスに特化した広報支援を展開し、メディアとクライアントへの深い理解を基に、ブランディング強化や認知度向上をサポート。スポーツ関連団体や企業に対する柔軟な対応で、成長を目指すスポーツ関係者から高く評価されている。