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SPORTS PR JAPAN スポーツPRジャパン

更に進化していた

17.1.16

久々です。

年末年始の長期休暇を利用して、アメリカのサンフランシスコに行ってきました。留学から帰国して以来、実に4年半ぶりにアメリカを体験してきました。

スポーツPRの分野の仕事における貴重な参考として、サンフランシスコ周辺には是非とも今、見ておきたいチームや施設があったので、思い切って投資しました。シーズンとしてMLBはやっていませんが、NBA、NFL、NHLと3種類が見られるのも、よいタイミングです。4試合を見て、それぞれの現場で多くの発見がありましたが、ここでは全体として、4年半前と比べて、アメリカのプロスポーツのどの辺りが変化していると感じたのかを書き留めておきます。

 

最初に一言で言ってしまうと、「総合エンターテインメントとして、進化している」ということになります。

スタジアムやアリーナを訪れることは、テレビでは味わえない、五感を刺激するエンターテインメント体験です。そのすべての面で、さらなる投資を進め、さらに楽しめるようになっていました。

<視覚>

スクリーンの大型化。あと、明らかに数が増えています。テクノロジーの進化で、大きなスクリーンでも鮮明に映ります。

ただし、そこで行われていることに、大きな変化はありません。観客の反応を映すことでは、相変わらず、キスカム(映されたカップルはキスをする)、ダンスパフォーマンスコンテスト(子供や老人だと盛り上がる)などでした。もちろん、リプレーなど、試合に関するものもあります。以前と少し違うかもしれないのは、インプレー中は、試合のライブ映像が映しっぱなしで、フィールド上(コート上)ではなく、スクリーンで見て楽しんでいる人も少なからずいるということです。テレビ中継で慣れ親しんだ形の映像が、スタジアム(アリーナ)に来て、超大画面で楽しめるということです。

また、通路にも薄型スクリーンがそこかしこにあって、試合を見られるようにしているだけでなく、広告を出したりしています。また、新しいアリーナだとフードコーナーのメニューや価格の表示も全部スクリーンを使っています。加えて、観客の多くはスマホを持っているわけで、チームやアリーナ専用アプリで、見どころを読んだり、前日の監督インタビューを見たりできるほか、食事のオーダーを出して、席まで持ってきてくれるというサービスがあったりもしました。

<聴覚>

スタジアムDJが当たり前の存在になっていました。日本のスタジアムにいるような、どちらかというとMCのような役割を果たしている人ではなく、曲を選ぶことで会場の雰囲気をつくる本物のDJです。全体が見渡せるような場所にブースがあり、機材一式の前に立って、観客を盛り上げます。試合前には、DJを紹介する時間があって、スクラッチなどのテクニックを披露したりしています。

僕は音楽に明るい人間ではありませんが、それでもわかる以前との違いを言うと、その時に流行している曲をただ流しているだけではなくなった、ということです。留学中には何度も観戦旅行に出かけましたが、数日間に複数の会場に行くと、何度もかかる曲というのがあって、流行曲がすぐにわかりました。しかし、今回はちょっとわからなかったです。DJが専門知識や空気を感じ取るセンスを武器に、その日にちなんだ曲や観客のノリを見て変化させているのだと思います。バスケットボールだと、ホームチームがボールを持っている間は、ボリューム低めで音楽をかけることもありました。「ディー、フェンス」など昔からある掛け声を促すのも、使っている音が洗練されたものになっていました。

つまり、スポーツの現場なのに、クラブ並み、音楽専門並みの環境をつくっているということです。しかも、新しいスタジアムやアリーナはコンサート会場としても使われることを前提に、音響設備も新しいものを使っていて、質が高いです。

<嗅覚、味覚>

食べ物のチョイスが、劇的に増えています。留学当時だと、スタジアムで食べられるものと言えば、ハンバーガー、ホットドック、ポップコーン、ナチョス、フライドチキン、アイスクリーム、以上、という感じでした。まれにシーフードなどもありました。当時のことでよく覚えているのは、MLBニューヨークメッツの新球場にシェイクシャック(東京にも支店が出たおいしいハンバーガー屋さん)などが出店した、というのがスポーツマネジメント業界では大きな変化として捕えられていたことです。

今回見かけたのは、インド(タンドリーチキンなど)、韓国(プルコギ丼みたいな)、ドイツ(ソーセージパン的な)、英国パブ(フィッシュアンドチップスとビール)、ギリシャ(ピタパン的な)、それからビーガン(純粋菜食主義者向け)もありました。しかも、それらの分野の地元の人気店と見られる店がテナントに入っていたりもしました。ただし、今回行ったのは比較的新しい施設が多かったこと、また、サンフランシスコ周辺はIT業界でインド出身者が増えているなど移民が多い地理的な事情もあるかもしれません。ちなみに、値段も上がっています。素のハンバーガーで8ドルとか、上記のような珍しいものだと12~15ドルはしました。

五感の一つの触覚は、はっきりした変化はわかりませんでした。とは言え、食べ物の楽しみも増え、プレーが止まれば、すかさず映像や音楽で楽しませるというスポーツ以外の要素がてんこ盛りになっています。スポーツを、ホームチームをちゃんとまじめに見て下さい、と強調する方向ではなく、総合エンターテインメントとして会場での体験全体を楽しんで下さい、という方向に移ってきているというのが僕の印象です。

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この記事の執筆者

早川 忠宏

早川 忠宏 | Tadahiro HAYAKAWA

スポーツPRプランナー ®
Sports PR Japan 株式会社 代表取締役

13年間の記者経験と米国留学を経て広報に転身。日本ブラインドサッカー協会で初代広報担当として認知度向上に貢献し、PR会社でのコンサルタント経験も豊富。スポーツビジネスに特化した広報支援を展開し、メディアとクライアントへの深い理解を基に、ブランディング強化や認知度向上をサポート。スポーツ関連団体や企業に対する柔軟な対応で、成長を目指すスポーツ関係者から高く評価されている。

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