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スポーツ界でも人手不足問題

18.11.15

先日、ある現場に行ったところ「この大会、スタッフの数が予定していたものより足りなかったんです。掛け持ちだったり、穴が開いてしまっても仕方ないという形でやっている部分があるんです…」という話を聞きました。

ファミレスでえらく待たされたりとか、企業の人事採用をやっている友人から「集まらない」という話を聞いたりとか、自分の身近に人手不足問題が迫っている感じはありました。今回の話を聞いて、「スポーツ界にも人手不足はあり得る」と考え始めました。スポーツの現場は、台とかシートとか重たいものを運ぶ必要もあるので、体力がそれなりある方を集めなければなりません。平日の日中に試合が行われることもあるので、そこで助けてもらえる人をどれだけ集められるかもカギです。

 

広報・PRの観点で言うと、まずはお客さんを集めることだけでなく、スタッフにも大会を好きになってもらう努力が必要です。今は、オリンピック・パラリンピックに向けた機運の盛り上がりで、ボランティアなどで現場に来てくれる人が増える土壌があります。一度来てくれた方をリピーターにする打ち手は欠かせません。また、他のイベントよりもスポーツを選んでもらう、その競技を選んでもらう意識を持って取り組まなければ、繋ぎ止められません。

他の観点から考えると、業務のあり方の改善もできます。それまでは、5人必要と思っていた仕事を3人でやれるように変える。兼務できるものを探す。今やっていることを見直して止めることもできます。スポーツの現場には、経験ばかりに頼ってやってきて、ベテランさんが「こうやってきたから」というだけで深く考えずに終わっているものもあります。オフィスでの仕事のように、バッサリと切り捨てたり、見直すことができる余地は十分にあると思います。

また、他のスポーツ団体とお互いに人を出し合う方法もあります。今は、一つの競技の中だけで、全国レベル、都道府県レベル、市町村レベルの縦関係で運営してきています。この慣例を変えればいいのです。例えば、審判は資格が必要ですし、そのサポートも競技を熟知している人しかできませんが、そうじゃない仕事も現場にはたくさんあります。会場内の案内、駐車場での誘導、受付の補助、必要なものを運ぶ、表彰状を書く、お水やお弁当を配るなどです。これらの仕事を他の競技の組織から、お互いに融通し合うこともできるのではないでしょうか。同じ会場を使ったり、競技は違えどやることはあまり変わらないこともあります。今は、スポーツコミッションを持っている地方もあり、全国大会を誘致したら、他競技の経験や人材を借りることは、そこが間に入れば容易なはずです。スポーツコミッションが競技に関わらずボランティアグループを組織化することもできます。

 

人口が減るのは日本全体の問題。競技数は増える傾向にあるのも日本全体のこと。スポーツの現場で「アルバイトを集めようとしても、集まらなかった」「ボランティアが足りなかった」というのは、これからどんどん起きていきそうなので、備えておきましょう。

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この記事の執筆者

早川 忠宏

早川 忠宏 | Tadahiro HAYAKAWA

スポーツPRプランナー ®
Sports PR Japan 株式会社 代表取締役

13年間の記者経験と米国留学を経て広報に転身。日本ブラインドサッカー協会で初代広報担当として認知度向上に貢献し、PR会社でのコンサルタント経験も豊富。スポーツビジネスに特化した広報支援を展開し、メディアとクライアントへの深い理解を基に、ブランディング強化や認知度向上をサポート。スポーツ関連団体や企業に対する柔軟な対応で、成長を目指すスポーツ関係者から高く評価されている。

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