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広報PRに取り組むと起こる良い変化

20.2.24

こちらのホームページを立ち上げて以来、一番たずねられた率直な疑問が「広報PRに取り組むと、どんな良いことがあるのか」でした。私にとっては当たり前すぎて、特に語っていなかった盲点だったと反省し、早速、その説明をこちらに残すことにしました。

様々な方がいろいろな考えを示していますが、ここでは私の経験に基づいてお話しします。大きく分けると、5つあります。私が日本ブラインドサッカー協会(JBFA)で広報PRの仕組みをゼロからつくっていた時に、実際に起こったことを事例として説明してきます。

まず一つ目、認知度や人気が上がります。
私がJBFAに携わり始めた頃の認知度は、ある調査会社さんが出してくれた数字で40%台でした。実感としては、もっと低かったように思います。この頃、自己紹介で「日本ブラインドサッカー協会で働いています」と言うと、「何ですか、そのスポーツ?」と聞かれることが当たり前でした。従って、その前提で“二の矢”として、競技を端的に紹介する文章を暗記していて、それを話していました。
それが、何年も地道な広報PR活動を続けていく中で、だんだん変わっていきました。2015年頃になると、「日本ブラインドサッカー協会で働いています」と言うと、「ああ、あの目が見えない選手が、音が出るボールを使うのですね」とか「アイマスクを使いますよね」とか、そういう反応が返ってくるようになりました。私だけでなく、協会で働く他のスタッフも楽になったそうです。共通理解があるから、初めてお会いした相手でも一歩目から本題に入れます。

二つ目、収入が増えます。
これは、JBFAの場合ですと、チケットが売れるようになりました。当時の障がい者スポーツ界としてはチケットの有料化は大胆な試みでしたが、「なぜ、有料でやるのか?」ということをお客様に共感してもらうのが、広報PRの仕事です。大会中の報道やSNSの発信の内容を工夫することで、翌日の試合のチケットの売上が変わりました。
それから、スポンサーが増えました。営業担当がしっかり仕事をしているということも勿論大きかったんですけれども、マスメディアに出る機会が増えたことや、それを通じて協会の考え方、選手の思いが伝わるようになったことが後押しとなりました。

三つ目、関わる人が増えます。
大会のボランティアを募集すると、以前より短期間で、より多くの人を集められるようになりました。それから、ネットの記事やSNSを通じて知った大学生からインターンの応募があったり、中には、事務局のスタッフとして働きたいという方も出てきました。「収入が増える」ともリンクしていて、雇用することができるようになり、そのスタッフが、更に関わる人にリーチできるようになるという組織の成長もありました。

四つ目、機会が増えます。
TVや新聞のニュースに取り上げられたことで、遠く離れている地域の会社さんから研修の応募があったり、遠く離れた学校から体験授業に来て欲しいという依頼が来るようになりました。あと、自治体からのイベント出演の依頼が増えたりもしました。目に留まる機会が増えたこと、ホームページやSNSで活動の報告もしっかり続けたことで、組織の信頼感が増したことが影響したと考えられます。

最後5つ目、組織内が活性化します。
地道に情報発信を続けていくと、中で働いている人や外で関わってくれる人にとっても、自分たちがやっていることを説明できる材料が増えます。例えば、こういう風にNHKのニュースに取り上げられましたとか言うと、周りの家族や友人からも、「よく頑張ってるね」といった声をかけられるようになったりして、少し誇らしい気持ちになります。あと、注目されていると思うと、日々の仕事の質を上げていかなければという気持ちが湧いてきます。それによって、さらに仕事を頑張って結果が出て、組織が成長していきます。

 

この5つの変化、「認知度や人気が上がる」「収入が増える」「関わる人が増える」「機会が増える」「組織内の活性化」。これらは、それぞれがバラバラに起こるわけではありません。互いに関わりあって、総合的に組織がよい方向に変わっていきます。
ここでもう一点、大切なことは、「起きるであろう変化を予測して備えておく」ということです。例えば、イベント出演の依頼が増えたとしても、実際に行ける体制になっていなければ、お客様の不満を生んでしまうだけです。
こうした組織の変化をドライブする支えになるのが、広報PRです。ダジャレじゃないんですけど、組織の中でそれぞれの役割で頑張っている方の「後方支援」と覚えて下さい。

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