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日本が世界に誇るべきスポーツ文化

13.7.4

ことしに入ってからというもの、日本のスポーツ界は競技団体のガバナンスの問題や、体罰の問題など、海外から見ると何をやっているんだ、ということばかりが注目されているような感じです。昨夏のロンドン五輪でのあの前向きな感じの盛り上がりは、一体どこへ行ってしまったのでしょうか?

たとえ、スポーツ記者を辞めたと言えども、スポーツイベントの現場に足を運ぶことは、僕にとって日常に欠かせないものであり、生きがいと言っても過言ではありません。チームカラーに染まったスタンド、応援団の声援、芝の匂い、タオルマフラーの感触、スタジアムグルメの数々と、五感が心地よく刺激されます。日本のスポーツは、本当に世界にアピールすべきものがないのでしょうか。そんなことは信じたくないという気持ちもあり、何かポジティブなことを見つけたいと思いながら、現場に行っています。

最近、「これはアメリカ、ヨーロッパなどでも見たことがない、日本が世界に誇るべきスポーツ文化だ」と、感じたことが一つあります。

プロ野球を観戦します。7回に入ります。アメリカなら「セブンス・イニング・ストレッチ」で「私を野球に連れて行って」をみんなで歌います。日本では、各チームの球団歌を流しますよね。この間、札幌ドームで試合を見ていた時に気づきましたが、7回表の前には、ビジターチームの歌も流してあげるんですね。

それから、Jリーグの試合に行った時にもありました。試合前のチームの練習が始まる頃に、場内アナウンサーはこう呼びかけます。「アウェーの○○のサポーターの皆さん、わざわざ遠くから、ようこそいらっしゃいました!」。アウェーチームのサポーターだけでなく、ホームチームのサポーターからも温かい拍手が起こります。それだけではありません。この前、J2の松本山雅の試合を見に行った時には、「アウェーサポーター席、先着100名様に、地元名産の○○をプレゼント」という企画までやっているではないですか。実に丁寧な歓迎ぶりです。

対戦相手やその応援をする人に対するリスペクト、これが日本が世界に誇るべきスポーツ文化の一つと言いたいです。

これは、スポーツマンシップそのものですよね。スポーツは競う相手がいないと成立しません。そして、競技としては戦うとしても、ともに高めあう仲間として友好関係を築く。競技者に限らず、応援する人も、その精神を持つものこそ、スタジアムには相応しいのではないでしょうか。

思い出したことが一つ。古い話になりますが、約20年前の大学生の時に、初めてヨーロッパに行って、サッカーを見ました。当時のドイツ、シュツットガルトのスタジアムでは、アウェーサポーターの席は鉄格子で囲まれていて、「えっ」と衝撃を受けました。チケットがその近くのものしか買えなかったのですが、緊張感が異常に高く、試合を楽しむという感じはしませんでした。「サッカーの本場では、アウェーサポーターの扱いって、こういうものなんだ」と、強烈な印象を僕に残しました。僕個人としては、日本やアメリカのように、女性や子どもが安心して楽しめるような会場の雰囲気というのが好きです。スポーツマネジメントを欧州で学ぶことも検討しましたが、最終的にアメリカを選んだ背景には、こうした経験もありました。

でも、アメリカでスポーツマネジメントを勉強してきた日本人だからこそ強く思います。全部が全部、アメリカの真似では悔しい。日本のスポーツ界からも、よい例は世界に発信していきましょう!

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この記事の執筆者

早川 忠宏

早川 忠宏 | Tadahiro HAYAKAWA

スポーツPRプランナー ®
Sports PR Japan 株式会社 代表取締役

13年間の記者経験と米国留学を経て広報に転身。日本ブラインドサッカー協会で初代広報担当として認知度向上に貢献し、PR会社でのコンサルタント経験も豊富。スポーツビジネスに特化した広報支援を展開し、メディアとクライアントへの深い理解を基に、ブランディング強化や認知度向上をサポート。スポーツ関連団体や企業に対する柔軟な対応で、成長を目指すスポーツ関係者から高く評価されている。

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