4月3-5日の日程で、インディアナポリスでは大学バスケットボール女子のFinal 4が行われています。
Final 4というのは、日本式に言うとベスト4で、長く続いてきたシーズンの最後に全国大会があり、その準決勝と決勝というクライマックスです。男子の注目度は国民的関心事で、日本で言うと春と夏の甲子園大会みたいに、季節の話題になっている感じです。インディアナでことし行われているのは女子なので、少し人気は落ちますが、どういった盛り上がりなのかを肌で感じたいと思い、日曜日に行ってきました。
しかし、チケット代は定価が170ドルを超える高額ということもあり、試合前のプレイベントのみの体験です。各地から集まってきた人を楽しませようと、会場の体育館の前や近くのコンベンションセンターで、イベントが開催されていました。
出場校のチアリーダーの演奏に、気分が高まります。
普段の大学のバスケットの試合と言うのは、学生が最大のお客さんで、卒業生や地元のファンの姿がちらほらというところです。そのつもりで、会場に行ったら、すぐ気付きました。
大学生がほとんどいないじゃないか…。
チアリーダーはいますが、公欠が取れる以外の学生にとっては、遠くて気軽に行けることはないですよね。試合は日曜の夜なので、日帰りは難しいです。
では、誰が一番の顧客か?
出場校の卒業生です。
四、五十代から、シニア層が、応援する大学のシャツを着て、街中にあふれていました。ご夫婦の姿も目立ちます。イベント時の値上がりをしているホテルに泊りがけで来られる時間的、金銭的な余裕がある人たち。記念グッズの売れ行きも見るからによさそうでした。そして、あちらこちらで、「ああ、久しぶり!」というような再会の会話が弾んでいました。各校ごとに、街のレストランやバーを1軒貸しきっていて、人を探したい場合には、そこに行けばよいという仕組みもあるんですね。
そして、次の顧客は、地元の子供連れのファミリーということになります。親もファンである可能性が高く、子供は将来の選手またはファンになります。
イベント会場はバスケットコートがフル1面、ハーフ3面。広々としたスポンサーブースが6つ。そして、センターステージがあります。
バスケットゴールの高さはいろいろあります。3ポイント、フリースローなどで遊べます。係員が3、4人います。
合成写真の記念撮影。優勝チームがバスケットの網を切る儀式があり、そのまねをしています。
有名人のトークショーとサイン会。元アメリカ代表のリサ・リズリーが来ていました。
出場校のマスコットが競うゲーム。ダンス、フラフープ、クイズなど、コミカルな動きで笑えました。
他にもフェイスペイントのサービスや、wiiでの対戦コーナーも。トロフィーの前や、記者会見場を模した写真撮影のコーナーも人が集まっていました。
バスケットの楽しさをということでは、開場前にコートではスペシャルオリンピックを目指す知的障害者のバスケットボールのクリニックもやっていました。また、試合会場からイベント会場までの広い通りをドリブルで進んでいくという大行進も面白かったです。当日受付もOKの人数制限なし、参加者全員にTシャツとボールをプレゼントという太っ腹でした。行進が終わった後も、そこらじゅうで子供たちがボールをついていましたが、一切お咎めなしです。
愛校心を刺激したり、バスケットの楽しさを味わってもらったり、子供を楽しませたりと、上記の2つの顧客層を意識した内容に徹していると感じました。
こういったイベントの招致は、以前書いたスポーツ・コミッションの仕事です。大学生ではなく、卒業生やファミリーをターゲットにするのは、経済効果という点でも大きいですね。