日本の地方都市の駅に降り立つと、トキメキを感じるよりも、なんとも寂しい気持ちに包まれます。
まったく活気のない商店街、通称シャッター通り。
そして、駅周辺のビルには
全国チェーンの居酒屋
全国チェーンのコンビニ
全国チェーンの衣料品店
全国チェーンの安いご飯屋さん
全国チェーンの英会話教室
全国チェーンの安いビジネスホテル
など、どこの街も、おんなじ様なものが並んでいます。旅の気分が台無しです。
モータリゼーションで郊外の大型店に人気が集まっているから、というのも理由の一つではあると思います。しかし、駅前は交通の便がよく、本来、人が集まりやすい場所であるはずです。とすると、寂れる理由は、「集まりたくなるようなものがない」ことではないでしょうか? 観光の視点からも、街の玄関口に来た人を驚かせる何かがあった方がよい、と思います。
そこで、僕は「スタジアムを駅前につくること」を勧めます。
ハッキリ言って、これはアメリカの真似です。
アメリカでは、豊かな人が車を持ち、郊外に大きな家を持つようになり、車でいける郊外のショッピングモールが人の集まる場所になりました。会社も広い土地が必要になったら、郊外に移転しました。日本と違って、地域によっては全然鉄道を利用しないところも多いですが、それでも、かつては教会や市庁舎などが街の中心にあって、その周りに商店が集まり、ダウンタウンを形成していました。車社会の到来で、そこが寂れて、治安も悪化するなどしたわけです。
その打開策の一つが、スタジアムをダウンタウンに建設することでした。
私が訪れたところでは、インディアナポリス、シンシナティ、ピッツバーグ、ボルティモア、クリーブランド(下の写真を参照)、デンバーなどがダウンタウンにどーんとスタジアムを構えてました。
野球とフットボール、バスケットボールと野球など異なるスポーツ施設が隣接しているケースや、加えてコンベンションセンターも併設しているケースも珍しくありません。これは駐車場を共有できることや、警備スタッフの共有、常に人の賑わいを保てることなどのメリットがあります。人が集まるところにはホテルもいくつか作られますし、レストランなどもあります。ちなみに観戦に行く際もホテルから歩いていけるので非常に楽だし、帰りにちょっと一杯飲んで余韻を楽しむということもできます。こういう潤いが街に活気を生むのです。経済効果うんぬんよりも、とにかく楽しい経験をできるようにすることが大事なのでしょう。個人的にも、ゲーム前後のにぎわいが今も思い出に残っています。チェーン店を利用するのより、ちょっと贅沢な経験です。
さきほどウェブのニュースを見ていたら、このような記事が載っていました。
小倉の駅の北口に、サッカーJ2ギラヴァンツ北九州が使うスタジアムをつくるそうです。建設費約89億円!詳しいことはわからないので批判の声も当然あるのでしょうが、こういうスポーツのためによいことをしてくれる方には拍手を送らせて頂きます。
何か、お手伝いできることがあったらやりますよ、と言いたいですが、お勧めは、スタジアムの周りに写真を撮りたくなるようなモニュメントをつくる、です。昨今、スマートフォンなどでみんなが写真を撮りたがります。その気持ちを満たしてあげることが、人を集める場所には欠かせないと思うのが一つ。それと、その写真がソーシャルメディアなどでたくさんの人に見てもらえて、場所の宣伝になると考えたら、モニュメントの建設費なんて安いものです。
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Sports PR Japan 株式会社 代表取締役
13年間の記者経験と米国留学を経て広報に転身。日本ブラインドサッカー協会で初代広報担当として認知度向上に貢献し、PR会社でのコンサルタント経験も豊富。スポーツビジネスに特化した広報支援を展開し、メディアとクライアントへの深い理解を基に、ブランディング強化や認知度向上をサポート。スポーツ関連団体や企業に対する柔軟な対応で、成長を目指すスポーツ関係者から高く評価されている。