タイトルは僕の個人的な願望でないこともないのですが、ここではアメリカのスポーツ産業においての話をします。

女子ワールドカップも大詰めを迎えました。日本では大いに盛り上がっていると察しますが、アメリカでもなかなかのものです。MLB以外には大きなスポーツイベントがなく(それも昨日はオールスター翌日の休みだった)、アメリカが決勝に残りましたので、スポーツニュースではトップ級の扱いになっています。試合はESPNで中継され、僕は学内の食堂にあるテレビ前で、スウェーデンから来た留学生と1対1のマッチアップで観戦しました。アメリカ人は準決勝第1試合が終わると帰ってしまっていたので…。

さて、ESPNは今回の女子ワールドカップの情報を通常のサイトのほかに、女子スポーツと女性ファンのためのサイト「ESPN W」というところのメインコンテンツとして扱っています。昨年から始まったのですが、まだ、チャンネルではなくて、サイト、ツイッター、フェイスブックのみでやっています。普段は、テニス、ゴルフ、WNBA(プロバスケット)を中心に扱っています。

女性スポーツに関してツイッターなどでの議論や、女性コラムニストによる意見発表が活発に行われていること。それから、女性向けのフィットネスに関する情報も多く載せられているのが面白いです。

今回のワールドカップでいうと、元米国代表の主力選手、ミア・ハムさんのコラムがあったり、動画も多かったりとボリュームがあって、ESPN本体の女子ワールドカップ専用サイトからも「詳しくはこちらへ」という感じで、飛ぶようになっています。

ただし、このサイトには「お金儲けのためではないか?」という批判の声もあります。たとえば、3つの企業とThe Women’s Sports Foundation(チャリティー団体)が創設パートナーとして名を連ねており、広告も出ています。 ESPN本体を楽しむ女性ファンというのはこれまでもいたし、今もいるわけで、特別に分ける必要はないという意見もあります。女性の顧客を狙うスポンサーにとって魅力的な場をわざわざ囲ってつくったのではないか、という見方もブログなどで指摘されています。

女性ファンの拡大には、NFLも数年前から本腰を入れています。NFLファンの女性比率は、2006年の37%から2009年は42%に上がっているというデータも知られています。NFLのウェブ上のショップ内には女性用のコーナーが充実しており、Tシャツ以外にもアクセサリーや水着、マタニティーウェアまであります。TVCMも積極的に流していて、破局の象徴として、女性がNFLチームのロゴ入りのシャツを男性に投げつけるシーンが印象的なものになっています。

なぜ、女性を取り込もうと必死なのか。

まず考えられるのは女性の就業率の上昇と可処分所得の増大です。別の理由としては、「母親としての影響力」が考えられます。母親の層を取り込めば、その子供も将来のファンになってくれることを期待できます。また、もうひとつの理由は、大学の教授が教えてくれたことですが、家庭の重要な購買を決定する権利を持っているのは約80%が女性だというデータがあります。チームにとっても、女性ファンを獲得すれば、家族まるごとついてくる可能性がありますし、そこへのアプローチを狙うスポンサー、例えば保険会社や住宅会社などにも大きくアピールすることができます。

「そういえば、ウチもそうだなぁ」なんて声が聞こえてきそうですが、目ざといスポーツ業界からはそこが狙われているという話です。