こちらに来て、早いもので1ヶ月が経ちました。 生活のペースをつかむのに必死でしたが、ようやく余裕がでてきたというところです。
25日(日)に初めてブルーミントンを離れて、インディアナポリスで野球のマイナーリーグを観戦してきました。バスを乗り継いで片道2時間弱の旅でした。 スポーツの現場を見て、日本で使えそうなアイデアを紹介していくというのは、僕がこのブログを始めた大きな理由の一つであります。
インディアナポリス・インディアンスは、パイレーツ傘下の3Aです。現在は、岩村明憲選手が所属しています。残念ながら、観戦当日は出場機会がありませんでした。過去には、ロジャー・マリス(1961年に1シーズン61本塁打でベーブルースの記録を34年ぶりに破った)やランディ・ジョンソン(メジャー通算303勝。昨年引退した。背の大きな左腕)も在籍していたそうです。
第1回の今回は球場について、気付いたことを書きたいと思います。
まずは街の中心地から徒歩圏内にあり、しかも街の景観に良くなじんでいるということです。 ここに移転してきて、ちょうど15年目ということで、イヤーブックに経緯が紹介されていました。
当時、インディアナポリスの有力者たちは街の中心地に観光客を呼べるスポットをつくりたいと考えており、それにぴたりとはまったとのことです。 州外からの人を含めて年間60万人を動員し、目的は達成されています。
街の中心地から西へ歩いていきます。外から見ると、公園のように緑に囲まれ、歩道から段差なしでスッと球場内に入れます。
異様な建築物がドーンと出てくるのでなく、さりげない感じがおしゃれです。 隣には、博物館や公園があるので、観光客ならセットで訪問することも可能。公営の駐車場も完備です。
居心地のよい球場だな、というのが第一印象です。 外野は芝生席(2000人が座れる)ですし、周りも殺風景なフェンスや商売根性丸出しの広告ではなく、木々の緑が目に入ってくるようになっています。 そして、バックネットや三塁側スタンドから見ると、この風景。
街の中心地のビルがきれいに見えます。野球をやっていなくても、この風景を見ながら座っているだけでリラックスできます。ビールとか、飲みたくなりますよね。 観客の滞在時間も長くなるのではないでしょうか。
球場ビジネスの基本の一つは、観客の滞在時間を長くし、食べ物やお土産を買い物してもらうチャンスを増やすことですので、ビジネス的にも価値が高いです。
席数は1万2500、外野芝生席2000、ですからそんなに大きくはありません。 チケットは指定席が大人14ドル、自由席が大人10ドルと、気軽支払える額です。
でも、ラグジュアリーボックス(企業などが利用する観戦席つきの豪華な個室)があり、飲食店も隙間なく並び、2つのパーティースペース(試合を見ながら、50人くらいまでのパーティーが可能)がありますから、収益性はただの1万5000人入りの球場よりもはるかに高いはずです。過剰でもなく、足りなくもなく適正規模だと感じます。
日本のスポーツ施設を少し思い浮かべてください。
運動公園という形で、えらい郊外にあったりする。
コンクリートむき出しだったり、手入れが行き届いてなくて殺風景。
ハイテク設備がある一方で、飲食コーナーが自販機だけだったりする。
(そう考えると、広島市民球場って素晴らしい球場かもしれないとふと思いました)
<学んだこと>
○スポーツ施設は、立地にもこだわるべき
○スポーツ施設は、居心地のよさも求めるべき
○スポーツ施設には適切な規模というのがある
の3点です。
要は、つくる側の事情優先でなく、お客様目線だということですね。
その2では、球場運営のソフト面で気がついた点を書きます。
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スポーツPRプランナー ®
Sports PR Japan 株式会社 代表取締役
13年間の記者経験と米国留学を経て広報に転身。日本ブラインドサッカー協会で初代広報担当として認知度向上に貢献し、PR会社でのコンサルタント経験も豊富。スポーツビジネスに特化した広報支援を展開し、メディアとクライアントへの深い理解を基に、ブランディング強化や認知度向上をサポート。スポーツ関連団体や企業に対する柔軟な対応で、成長を目指すスポーツ関係者から高く評価されている。