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日本のスポンサーシップにダジャレはあるか

10.12.26

冬休みに入ったので、スポーツ観戦の小旅行をしました。ボルティモアとワシントンDCに遠征です。

ワシントンDCではNBAのウィザーズ、NHLのキャピタルズの試合を2日続けて見たのでその感想を。

スポーツマネジメントについて学ぶ場合、強豪や人気チームというのはあまり参考になりません。

黙っていてもお客さんが入るなら、創意工夫はいりません。例えば、今季のNBAのヒートのように、開幕前に全試合のチケットが売り切れた場合、チケットセールス部門は不要になります。なので、僕が選ぶ場合は、なるべく有名でないチームを見るようにしています。

DCでは、キャピタルズは歴史と伝統を誇る人気チーム、ウィザーズはさしたる実績のない弱小チームです。それが、同じアリーナを共有しているという点が興味深かったので選びました。ちなみにキャピタルズは80試合連続満員御礼だそうです。

以下、気付いた点を書きます。

○オフィシャルグッズショップのレイアウトをがらりと変えていた

会場のベライゾン・センターのチケット売り場近くに大きなショップがあります。ウィザーズの試合の時は、キャピタルズのものと半々くらいのレイアウトだったのが、キャピタルズの試合の日は赤一色に。特に選手の背番号入りのユニホームやTシャツを壁の上から下までずらりと並べてました。わずか1日で入れ替えるのは手間もかかるかと思いますが、それをやる価値が売り上げに反映されているのだと思います。

 

○バスケットはフロアを使えるが、ホッケーは使えないので演出を多少変える

メキシカンファーストフードがどちらのチームのスポンサーにもなっていました。できたてのブリトーをプレゼントする「ブリトーダッシュ」というのが目玉イベントなのですが、バスケットはフロアからダッシュ。一方のアイスホッケーでは、観客席のセクションを決めて、そこに運んでいきます。他のスポンサーのTシャツプレゼントなども、大きなパチンコは使えないので、「どこかな? どこかな?」とアナウンサーが盛り上げて、チアリーダーとマスコットキャラクターがある一角にジャーンと現れて、プレゼントしていきます。観客席のブロックを決めるというプロモーションのやり方は、今まであまり見たことがなかったので参考になりました。

○ホッケーの方が応援を促す演出を徹底している

バスケットでも「ディーフェンス」などの掛け声はあるのですが、ホッケーの方が場面に応じてもっと細かく応援を促す音響効果を入れていたと感じました。こう着状態なら、これ、失点直後はこれ、という風に型がある程度決まっているようです。ファウルでゲームが何回も止まるバスケの方がいろいろやりやすい気がするのですが、なんとなくのスポンサーCMに終始していました。終始ウィザーズがリードするという楽な展開だったことも多少影響しているかもしれませんが。

 

○スポンサーシップは駄じゃれ?

今回、一番面白いと思ったのはこれです。バスケもアイスホッケーも両方に共通していたのですが、スポンサーのイメージを定着させるのに効果的なのが「駄じゃれ」です。例えば、歯医者さんが提供する「スマイルカメラ」。観客を大型ビジョンに映していくというのはどこでもよくやっていてお客さんが喜びますが、この企画は映された人が白い歯を見せてにっこりするということになっています。映された人はもちろん、スクリーンを見ている人にも、歯や歯医者さんのイメージが強烈に残ります。それから、アイスホッケーではパワープレー(相手の反則により一定時間、人数が多い状態でプレーできること)の時に、電力会社がスポンサーになっています。パワープレーは得点のチャンスですので、「Power Play~~」とアナウンスと音効で盛り上げるのです。これもパワーと電力というのはイメージが結びつきやすいです。プロモーションは顧客に対し、AIDA(Awareness,Interest,Disire,Action)という段階を進ませるための行動ですが、この「駄じゃれ」で少なくとも「I」の段階まではすっと行きます。日本ではまだ足りない部分ではないでしょうか?

 

今回もいろいろな収穫がありました。学期中に学んだことを現場で確かめると、身についていることを実感しますね。

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この記事の執筆者

早川 忠宏

早川 忠宏 | Tadahiro HAYAKAWA

スポーツPRプランナー ®
Sports PR Japan 株式会社 代表取締役

13年間の記者経験と米国留学を経て広報に転身。日本ブラインドサッカー協会で初代広報担当として認知度向上に貢献し、PR会社でのコンサルタント経験も豊富。スポーツビジネスに特化した広報支援を展開し、メディアとクライアントへの深い理解を基に、ブランディング強化や認知度向上をサポート。スポーツ関連団体や企業に対する柔軟な対応で、成長を目指すスポーツ関係者から高く評価されている。

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