留学にはTOEFLスコアの証明というのが欠かせませんね。
僕も来る前は面倒だな、という気持ちがなかったわけではないのですが、こちらでの生活はすべての面で英語力が必要です。だから、こちらに来てからも毎日必死に英語の勉強を続けています。それはTOEFLのスコアアップのために学んだことが土台になっています。
では、TOEFLのスコアの基準をクリアする前に外国に出てしまって、現地で英語を勉強するのはどうか、と考える人もいるかもしれません。
僕はお奨めしません。
理由1 ネイティブスピーカーはTOEFLを受けない。
アメリカなどに来れば、英語を理解する人はそれはたくさんいるに決まっています。しかし、ネイティブスピーカーはTOEFLを受けませんので、どんなものなのか知りません。TOEFLの話ができるのは留学生同士に限られます。
先生がいるじゃないか、というかもしれません。しかし、ESL(English as a Second Language)の先生は、外国人が英語を話して暮らせるような英語力をつけるのが目的で、TOEFLのスペシャリストの講師ではありません。TOEFL向けの専門教育を受けた先生を探さなければなりません。
だいたいどうなるかと言うと、TOEFLの勉強を自分でやって、質問が出たら、それを英語で先生に聞かなければならないんです。
英語力が高くないのにこれをやるのは、敢えて難しくしてしまっていると思います。
文法の説明や英語の論理構造などは、専門的に勉強している人にしかできないことで、そのへんにいるアメリカ人に聞いても的確な答えが返ってくることはまずありません。「感覚で」とか言われます。
理由2 ESLのスクールは居心地がいい。
留学生同士は「お互い大変だよね」というような暗黙のいたわりがあります。外国生活の不満や愚痴を言ったりもするでしょう。そうしたストレス解消も必要ではあります。
ただ、ESL1年も長居するところではありません。
スクールに長居して英語力がほとんど伸びていない学生もいます。ルームメートが同じ国の出身者で、1日の半分以上を母国語で過ごしているとか。
なぜか彼らは大きなグループになっていて、敢えて言えば「ぬるま湯軍団」です。
簡単な単語と間違いのたくさんある英語で、それなりにコミュニケーションができているので、そこで満足しています。
ただ、これは、テニスにたとえると、山なりのボールを「ごめんね~」と言いながら打ち合っているようなものです。大学や大学院のクラスに入ったら、スピード、ボキャブラリー、しゃべる内容(日本の文化の説明程度で終わるのと、スポーツマネジメントの最新理論くらいの差)とも格段に上です。僕の場合は、大学院のクラスが始まると、200キロの弾丸サーブが不用意な後ろから飛んでくるような感覚になりました。打ち返せなければ、存在感ゼロです。
インディアナ大学の英語学校はTOEFLのPBTで550点を取れれば卒業です。逆に言うと、そのレベルより下の学生しかいないということです。その中で「山なりのボール」をいくら打ったところで上達はしません。日本のTOEFL予備校の中には2、3ヶ月で目標点に届かせますというスクールがありますが、そちらの方が金銭的、時間的コストが低く良心的だと思います。
理由3 自習する習慣や技術は、外国に来たからと言って上がるものではない。
日本人に限らず、「TOEFLのスコア」が上がらないと言っている学生たちを見ていると、勉強の仕方をしらないように見えます。問題集の使い方、暗記するための方法論などは、わざわざ英語で学ぶ必要はないでしょう。朝、昼、晩のどの時間帯に自分が一番集中できるか、なども効率の上では大事です。
あと、TOEFLの場合、英語力に加え、解法というのもかなり重要でありますが、むしろ大学受験でペーパーテストの出来が厳しく問われる中国、韓国、日本の方がそうした研究は進んでいるのかも知れません。
TOEFLのスコアアップだけでなく、英語力を伸ばしたいというのであれば、外国で学べる方法はあります。例えば、アメリカ人とルームメイトになったり、ホームステイをして生活のほとんどの時間を英語で過ごすとか。それでも、上記の理由3などは自分で解決しなければなりません。
僕の場合はいい加減大人になってから、そうした勉強に本格的に取り組んでいるので、10代の子が留学する時とは事情が違っています。経験上、言っていることですので、そのことは留意して下さい。
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Sports PR Japan 株式会社 代表取締役
13年間の記者経験と米国留学を経て広報に転身。日本ブラインドサッカー協会で初代広報担当として認知度向上に貢献し、PR会社でのコンサルタント経験も豊富。スポーツビジネスに特化した広報支援を展開し、メディアとクライアントへの深い理解を基に、ブランディング強化や認知度向上をサポート。スポーツ関連団体や企業に対する柔軟な対応で、成長を目指すスポーツ関係者から高く評価されている。