若干、挑発的なタイトルで反感を買うかもしれませんが、めげずに書きます。
アメリカでいろいろなスポーツを見に行くと、応援をサポートしたり、華麗なダンスを披露してくれるチアリーダーやダンスチームというのが必ず出てきます。僕はかつて日本で記者としてアメリカンフットボールを担当していたこともあり、たくさん見させられた(本能的に見ていた?)おかげで、知らず知らずのうちに、そうしたダンスの上手い下手が、なんとなくわかるようになってしまっています。ちなみに、アメリカで見た中で一番すごいと思ったのは、NBAのニューヨークニックスのダンスチームです。さすが、ブロードウェー。
セクシーなお姉さんたちのダンスもよいのですが、ちょっと普通すぎるというか、見慣れてしまっている感があります。それはきっと熱心に試合会場に運ぶファンの方々も同じなのでしょう。ダンスが始まると、場内はなんとなくダレた空気になってしまうのを感じます。しかし、ジュニアチーム、たまには、キッズチームというのが出てきたりすると、新鮮な気持ちで見て、「頑張れ!」と思ったりするものです。
そして、NBAにおいては、もっとドキドキ、ハラハラして、場内が熱気に包まれるダンスチームを見ることができます。
それは
シニアダンサーズ
です。
僕は、ニュージャージー・ネッツと、ミルウォーキー・バックスのホームで見たことがあります。60歳を超えた白髪のおばあちゃんたち(たまに、おじいちゃんもいます)がヒップホップなどに合わせて、ダンスを見せるのですから、思わず目を大きくして見てしまいました。もちろん、多少動きは簡素化されていますが、リズム感はバッチリです。
senior dancers NBA などでYoutubeを検索するとたくさん動画も見つかります。
いくつかの記事によると、7、8年前にマイアミ・ヒートが始めて徐々に広まっていき、今では僕が見た2チームのほかにオーランド・マジック、デトロイト・ピストンズなどでも行われています。これ、オーディションもあって、練習もしっかりあって、甘さはありません。それでも、これを目標に、新たにダンスを始める人もいたりするそうですから、生きがいを与えるという意味でも非常によいことです。
日本は世界最速で高齢化社会へ突き進んでいます。スポーツの現場においても、その対応は当然、欠かせないはずです。
たとえば、今は大学生くらいのアルバイトが主流の売り子さんも、オール60歳以上の売店が当たり前という時代が来るかもしれません。アメリカだと、若者の売り子とベテランの売り子は半々くらいの印象があります。重いビールのボトルも苦にしてません。「親子連れ」と言うのも、近い将来は30代の子供が、60代の親を連れてくることを指すのが一般的になるかもしれません。
シニアダンサーズを見ていて思ったのは、みんなの「大目に見てあげようじゃないか」という温かい眼差しです。多少ミスっても、「下手くそ」とか罵倒する人はいません。高齢化社会では、スポーツの現場も温かくなるかもしれません。
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Sports PR Japan 株式会社 代表取締役
13年間の記者経験と米国留学を経て広報に転身。日本ブラインドサッカー協会で初代広報担当として認知度向上に貢献し、PR会社でのコンサルタント経験も豊富。スポーツビジネスに特化した広報支援を展開し、メディアとクライアントへの深い理解を基に、ブランディング強化や認知度向上をサポート。スポーツ関連団体や企業に対する柔軟な対応で、成長を目指すスポーツ関係者から高く評価されている。