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ジャイアンツ、300万人突破に思うこと

13.10.11

読売ジャイアンツの今季の観客動員が300万人を超えた、というニュースがありました。

平日の観客動員を増やすべく、タレントを呼んだり、無料でユニフォームを配ったり、生ビール半額をやったり、開始時間を30分遅らせたりと次々と手を打って、この数字に結び付けました。なりふり構わず、ってこういう時に使う言葉です。

無料でユニフォームプレゼントというのは、コストがバカにならないし、グッズの中でも高額の商品が売れなくなる可能性を自ら招くわけで、プロモーションとしては「奥の手」です。アメリカだと、マイナーリーグのチームがここぞという年1回の勝負どころでやる、というイメージです。ジャイアンツは、それを1シーズンに何度もやっているわけです。

観客動員はプロスポーツチームの経営の根幹ですし、その目標を達成した組織は素晴らしいと思います。反面、殿様商売を続けてきた日本で最も有名なプロスポーツチームが、ここまでやらないといけない時代になったんだな、という危機感も感じざるを得ません。

 

日本に戻ってきて1年以上が過ぎましたが、他の分野を見ても「日本ってプロモーション、キャンペーンの嵐だな」と感じています。

テレビをつければ、タレントさんが街を歩いて、何かを食べる番組が多数。そして、店先には「テレビに取り上げられました」の文字が。企業の広報とがっちりタイアップしたような番組(社内、工場内、店舗内で撮影したものなど)も多数。映画や舞台の宣伝のため、きれいな女優さんもバラエティー番組で面白い話をしなければならない。全国チェーンの飲食店は2週ごとに、違うキャンペーンをやっている。東京では、毎週どこかで「フェスティバル」や「祭り」をやっている。例えば、本家ドイツを差し置いて、春先から「オクトーバーフェスト」をやって、ビールを売っている。

良いモノをつくっていれば、売れる? 3年前に、このブログでも書きました(「試合の中身で決まるのではありません」)が、それは違います。

カンフル剤を打ち続けないと、人も集まらないし、モノが売れないし、経済も回っていかない。日本はもはや、そういう国です。

 

他のエンターテイメントも猛然とプロモーションに力を入れ、スポーツ業界でもトップチームがなりふり構わず、手を打ち続けている。

影の薄いチームや、いわゆるマイナー競技が、ボサッとしていて、観客やお金が集まる状況ではないです。

なのに、何でうまくいかないかなぁと首をひねっているだけではありませんか?

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この記事の執筆者

早川 忠宏

早川 忠宏 | Tadahiro HAYAKAWA

スポーツPRプランナー ®
Sports PR Japan 株式会社 代表取締役

13年間の記者経験と米国留学を経て広報に転身。日本ブラインドサッカー協会で初代広報担当として認知度向上に貢献し、PR会社でのコンサルタント経験も豊富。スポーツビジネスに特化した広報支援を展開し、メディアとクライアントへの深い理解を基に、ブランディング強化や認知度向上をサポート。スポーツ関連団体や企業に対する柔軟な対応で、成長を目指すスポーツ関係者から高く評価されている。

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