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企業の五輪選手の活かし方は、これが限界なのか?

14.2.26

ソチオリンピックが閉幕しました。

日本代表選手で活躍した人のうち、フィギュアスケートやスノーボードなどはプロ的な選手、ノルディック系(ジャンプ、複合)は実業団選手と分かれている感じです。メダルは逃しましたが、スピードスケートも後者ですね。

 

オリンピックのたびに流れる定番のニュース映像がありますが、僕はあれが気になって仕方ありません。

「○○選手の所属企業の社員が集まり、深夜にも関わらず、熱心に声援を送りました」

鉢巻をしたり、スティックバルーンを持ったりするのは、ちょっと昭和の感じがぬぐえません。ああいう現場を取材した経験はないのですが、ホントに乗り気でやってる人はどのくらいいるんでしょうか? カメラが回っていない時に、何時間もあのテンションが続くんでしょうか?

僕が最も疑問に思うのは、このイベントをスポーツの側ではなく、企業の側から見た時。本当に、企業活動に役に立っているのか?ということです。そもそもオリンピックは4年に1度しかありませんし、他の大会の時にも社内観戦会をやっているとはあまり聞いたことがありません。「あの応援をすることで、4年に一度、社員の一体感を高めているんだ。非常に重要だ」とおっしゃる方に、僕から申し上げることはありませんが。

 

ここ数年、日本オリンピック委員会は「アスナビ」といって、選手が企業の正社員として雇用されるよう、マッチングの機会を設けています。これは、スポーツ界から見れば、非常に助かります。チームを企業が丸抱えすることはどんどんなくなってきており、社会人として競技を続けられる機会は縮小の一途です。アルバイトや貧乏だけど頑張った、というストーリーは、オリンピック期間中の社会面ネタの定番でもあります。反面、科学の進歩で選手寿命は延び、長く続ければ成果を出せる人(41歳でメダルを取った人がいましたよね!)も出ています。

 

ただ、こうした形で企業に雇用されるとしても「オリンピック選手がいれば、社員に刺激になる」ぐらいの漠然としたもので終わってしまっていては、もったいないと思うのです。年間の利益が何億円もある企業なら、一人を雇用するくらいの財政的な余裕はあります。でも、その選手が遠征や練習の合間に、ちょこっと仕事を手伝って、「申し訳ないです」と体を小さくしてオフィスにいるようでは、幸せではありません。

その選手ならではの経験を会社にもっと還元できれば、本人も生き生きするでしょうし、周囲にもよい影響を与えられるでしょう。

 

例えば、選手が社員の皆さんの前で、講演をするのはどうでしょうか?

「世界の舞台で戦ったからわかった異文化コミュニケーション術」

「4年に一度の大舞台で、私はどうやって緊張を克服したか」

「日本代表チームで学んだチームビルディング論」

とか、こんな感じのテーマで。

下手でぎこちないかもしれませんが、その会社のことは同僚だからよくわかっているというメリットがあります。聞き手にも仲間意識があるはず。人事部からすると、外部から研修コーチを呼ぶよりも安く済みますし、広報部からすると、マスコミの人を呼んだりできます。

 

企業の選手の活かし方はこれが限界なのか? いや、そんなはずはない。もっと改善する余地がある。

僕はそれを手伝いたいという気持ちを持っています。

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この記事の執筆者

早川 忠宏

早川 忠宏 | Tadahiro HAYAKAWA

スポーツPRプランナー ®
Sports PR Japan 株式会社 代表取締役

13年間の記者経験と米国留学を経て広報に転身。日本ブラインドサッカー協会で初代広報担当として認知度向上に貢献し、PR会社でのコンサルタント経験も豊富。スポーツビジネスに特化した広報支援を展開し、メディアとクライアントへの深い理解を基に、ブランディング強化や認知度向上をサポート。スポーツ関連団体や企業に対する柔軟な対応で、成長を目指すスポーツ関係者から高く評価されている。

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