私はこれまでの広報・PRの仕事で、スポーツに関係ないものも含めてCSR(企業の社会的責任)活動の企画や実施に携わったことがあります。
企業は人で活動は行動ですから、企業のどんな活動にも「その企業らしさ」というものがあるはずです。しかし、多くの日本企業では、それがなく、単なる寄付で終わってしまっているケースというのを目にしてきました。億単位のお金になることが珍しくない広告は、広告代理店の専門家の手を借りて莫大なエネルギーを投じて考えているのに、同じ会社がCSR活動となると深く考えずに、他の業種でもできそうなものだったり、その時に話題になっているものだったりにポンとお金を出しておしまいになったりすることもありました。自分の力不足もありますし、こちらが力説しても、そこまで面倒なことはしたくないという感じを受けたこともありました。
CSR活動にも本業と関わるストーリーがあると、俄然、楽しいものになります。効果も上がります。
ストーリーがあるから、広報・PRもうまくいく。広報・PRがあるから、活動が広がっていく。
海外の有名企業では、CSR活動を当たり前のように広報・PRに使います。日本は「いいことをしている」とあまり言いたくない文化、陰徳の文化があり、経営陣がそのPRをしたがらないという時もあります。ただ、企業が海外に展開しているのに、陰徳の文化と言われても、そこで働いている日本文化を知らない社員からしたら、なんのこっちゃ、という話です。
実際に聞いたことがあるのは、海外企業を買収した際に、その子会社の方がCSR活動に積極的かつ深く掘り下げて考えていて、親会社の日本企業の方が突き上げを食らうというケースです。
本業でこそ、世の中に役に立っているのだから、それで社会的責任を果たしているだろう、わざわざCSR活動をやらなくてもいいだろうと言われる方もいます。しかし、ビジネスで起こる変化は、主に社外で、世の中の困っている人を助けるのがメインです。
それに対して、CSR活動で起こる変化は、その仕事をしている人間として意識を高めておいた方がよいことで、主に社内で起きます。だから、協賛のお金を払っても、その変化を起こすことに価値があります。
加えて、CSRで支援する先が自社の本業では届かないところまで、世の中をよくしてくれます。その満たされた気持ちを得られることも大きな社内変化です。例えば、生命保険の会社が、サッカーでCSR活動を行うといったケースが考えられます。その離れたものを結びつけるのが、本業と関わるストーリーです。
企業の方々と一緒になって、このようなストーリーを考えることは、私がこれからも是非お手伝いしたいと思っていることの一つです。
企業側でなく、スポーツ界の方でCSR活動を考えている方のためには、参考までに、このブログ内でこれまでもっとも多くの人に読まれている記事にリンクを張っておきます。ちなみに、google検索で「スポーツ 社会貢献」と入れるとトップで出てくるほど、多くの方のお役に立てている記事です。
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Sports PR Japan 株式会社 代表取締役
13年間の記者経験と米国留学を経て広報に転身。日本ブラインドサッカー協会で初代広報担当として認知度向上に貢献し、PR会社でのコンサルタント経験も豊富。スポーツビジネスに特化した広報支援を展開し、メディアとクライアントへの深い理解を基に、ブランディング強化や認知度向上をサポート。スポーツ関連団体や企業に対する柔軟な対応で、成長を目指すスポーツ関係者から高く評価されている。