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2020年は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、歴史の教科書に書かれるような年となりました。去年の今頃には、まったく想像していない世界が広がっています。

スポーツの世界においても、衝撃的な出来事がありました。
私としては、世界中でスポーツイベントが全く行われない日があったということが忘れられません。

以前からアメリカのスポーツ専門チャンネルESPNのホームページを毎日チェックしています。このサイトの一番上に、その日行われているスポーツの結果やライブスコアが出ています。普段は、週末は言うまでもなく、平日でもMLBやNBA、プロテニスツアーのライブスコアでびっしりと埋まっています。今年の3月のことでした。そこに1試合も載っていない日があったのです。

こんなことが起こるのかと、少なからずショックを受けたことを覚えています。

 

その一方で、チームやアスリートはこのような危機的な状況においても、ファンと繋がり続けようとしました。それは、希望となりました。SNSを駆使して、励ましのメッセージを送ったり、楽しませるパフォーマンスを見せたり、ライブで対話したりと、さまざまな企画が生まれ、世界中に広がっていきました。スポーツの持つボンド機能、すなわち、繋がりの強さを改めて実感した日々がありました。

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また、スポーツ界は試合を行うことを諦めませんでした。感染防止策をしっかり取った上で、シーズンや大会を再開していきました。無観客の形を取ったところも多かったです。

日本は世界でもいち早く、制限された人数の観客を入れて試合を行うことを始めました。ファンを感じながらプレーすることは、選手にとっても喜びであることが改めてわかりました。ビジネスを継続しなければ、という意味もありましたが、それよりも心の繋がりを感じるために行っていた印象を受けました。例えば、誰もいないスタンドを幕で覆うだけではなく、ファンの顔写真をつけたボードを座席に置いたり、スクリーン上に観戦するファンの姿を映したりしたことが象徴的です。

 

こうした流れの中で、私は、「早く元の世界が戻りますように」と願っているのは、単なるサボりだと思いました。私自身も、人が集まれない中で、お客様とどのようなコミュニケーションを取るのかについて、自社のパートナー企業に対して様々なアドバイスを続けました。幸いにも、新しいパートナー企業との関係を始める機会にも恵まれました。また、一人企業である自社も、ほぼ完全にオンラインにシフトしましたし、表には見えないところでも様々な改革を行いました。

そして、大事なのは、少し収束したからといって、こうしたコミュニケーションスタイルの変化が元に戻るとは思ってはいけないことでしょう。かつての満員のスタジアムを知る人には、今の観客数を制限した状態が物足りなく感じるように、オンライン上でいろいろな楽しみを味わった後に、凡庸な情報発信に戻ってしまっては、ファンは失望するでしょう。

 

再開後のプロスポーツは、私もいくつか現地に観に行きました。声を出せず、お酒も飲めず、大人数で集まれずでは、スポーツをちゃんと見ない人、ライト層や所謂「にわか」にとっては楽しみが奪われたままです。空いているスタジアムが楽でいい、と思っている人もいるはずです。スポンサーシップも変化しなければなりません。「スタジアムやテレビで露出しますから」とか、「勝ちますから。昇格しますから」というようなお願い営業は通用しなくなるでしょう。危機を迎えた会社に、そのようなスポンサーシップでは役に立たないことが露になりました。ファンとの関係や、地域における存在意義をもっと解像度高く言語化できなければなりません。それにより、具体的なベネフィットを共に創造することや、社会や企業の課題を解決するものでなければ、お金を払ってもらえないでしょう。

5月に、このブログに書いたように、私はコロナ後のスポーツビジネスは変化していくと心づもりをしています。

 

いろいろな学者が指摘していますが、歴史を振り返ってみると、パンデミックの後には大きな社会変革が起きているそうです。今回も同様な変革が起きると思っておくことが、歴史に学ぶということではないでしょうか。社会の中で、経済的にも精神的にも大きな役割を果たしているスポーツが、何も変わらないというのは考えにくいです。

世の中が変われば、私が携わっている情報発信やPRも変化していくことになります。なぜなら、関係性を扱う仕事だからです。「早く元の世界が戻りますように」と願っている暇はありません。新しい対応一つでも多く実践していきます。
何年か先への財産となるように、振り返ってこの時の気持ちを思い出せるように、敢えて厳しめに書いておきます。

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