プレスリリース1本を出すと言っても、社内と社外で様々な調整を重ねなければできません。
せっかく満を持してプレスリリースを出すのなら、多くのメディアに取り上げられたり、SNSで話題となって拡散されたりと、最大限の効果があってほしいものです。
私の経験では、その大きなカギを握るのは、タイミングの設定に他なりません。
タイミングの違いで、プレスリリースが失敗することもあります。例えば、他に注目度の高い出来事があって、メディアがそちらで忙しくなっている時に出してしまうことです。
そして、スポーツビジネスには、他のビジネスとは異なる絶好のチャンスがあることにお気づきでしょうか?
それは、大会です。
それぞれの競技には、メディアや世の中の大きな注目を集める大会があります。
4年に1度のメガスポーツイベントの影響力は健在で、国民的な話題になります。2年に1度、もしくは毎年行われる世界選手権もあります。陸上、水泳、卓球など地上波で放送される場合は、さらに大きな話題となります。毎年決まった時期に開催される、テニスの四大大会やゴルフのメジャー大会のようなものもあります。
こうした時にはその競技、大会、選手の報道量が確実に増えます。注目度は、他の時期とはまるで違います。活かさない手はありません。
私もスポーツ記者をしていた時に、大会の期間ならではの関連の話題を書いたことをよく覚えています。
選手が使っている用具について、大会で取り入れられているテクノロジーについて、競技人口の増減など普及について、などがその例です。
関連の話題を大会の直前に報道陣に伝えておけば、取り上げてもらえるのチャンスは間違いなく高まります。メディアは、新しい話題を常に求めています。
開幕直前に、記者が集まっている大会の現場やその近くで、記者発表会を行う方法もあります。それだけの費用を掛けても割に合うくらいの報道量があると見込んでいるからです。
そして、もう一つ大事なことは、ニュースが増えるとそれに伴って、SNSでも投稿が増えます。大会期間中に、Xのトレンドなどの上位に、競技や選手名が上がってくることがあります。
こうしたタイミングを逃さず、キーワードやハッシュタグに乗っかって投稿すれば、自社のニュースにも気づいてもらえる可能性は確実に高まります。プロや企業に使ってもらう商品ではなく、一般向けに広めたい商品やサービスの場合は、このタイミングが大きな違いを生みます。
こうした注目度の裏返しとして、さらに頭に入れておいた方がいいことを最後に加えます。
他の競技で注目度が高い大会が行われている期間には、わざわざぶつけて発表してはいけません。タイミングが悪いです。人数に限りのあるメディアの人が他で忙しかったり、たとえオンライン上で掲載されたとしても、他の話題に埋もれてしまう確率が高いです。
大きな大会の日程を事前にチェックして、最適なタイミングを見逃さないようにしましょう。
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スポーツPRプランナー ®
Sports PR Japan 株式会社 代表取締役
13年間の記者経験と米国留学を経て広報に転身。日本ブラインドサッカー協会で初代広報担当として認知度向上に貢献し、PR会社でのコンサルタント経験も豊富。スポーツビジネスに特化した広報支援を展開し、メディアとクライアントへの深い理解を基に、ブランディング強化や認知度向上をサポート。スポーツ関連団体や企業に対する柔軟な対応で、成長を目指すスポーツ関係者から高く評価されている。