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テニスがファッションを動かす時代

25.11.27

9月下旬から11月にかけて、日本国内ではテニスの大きな大会が続きます。

10月下旬に東京・有明で行われた男子テニスのツアー大会、ジャパンオープンでは、世界ランキング1位のカルロス・アルカラスが初出場し、日本のテニスファンを大いに沸かせました。この後も女子の東レ・パンパシフィック・オープンなどが続きます。

世界のテニス界でファッションが急浮上している理由

コート上のプレーをまじめに見ているだけでは気づきにくいですが、今、世界のテニス界ではコート外のファッションが大きな注目を集め、その影響力を高めています。男女トップ選手がハイブランドと契約し、ブランドアンバサダーとして大きな役割を果たしているのです。

アルカラスは2023年からルイ・ヴィトンと契約。そのライバルであるヤニク・シナーは2022年からグッチと契約し、コートに一目でグッチとわかるダッフルバッグを持ち込んで、話題を呼びました。今年に入って、ロレンツォ・ムゼッティはボッテガ・ヴェネタ、ジャック・ドレーパーはバーバリーと契約しています。

女子では、世界の女子アスリートの中で年収1位になったこともあるココ・ガウフがミュウミュウとの共同デザインによるテニスドレスを着用し、ファッション界でも存在感を発揮しています。ディオールとパリ五輪金メダルの鄭欽文との契約など、広がりを見せています。

スポーツメーカーからラグジュアリーへ。契約の多様化が進む

ナイキやアディダスといったスポーツメーカーとの契約の他に、近年はアスレジャーブランドやラグジュアリーブランドとの契約が増加。トップ選手は時計、バッグ、スーツといった高級ブランドとも契約して、コート外のイベント等で身につけています。

ATPも参入。ファッション戦略は組織でのマーケティングへ

ブランドとの契約自体は昔からありましたが、ATP(男子プロテニス協会)もこうした流れを積極的に活用しているのが、新しい動きです。トップ選手にスタイリングスイートを提供し、一流スタイリストがフェラガモやラルフローレンなどの高級ブランドで選手をコーディネート。

全米オープンでは高級ブランドの衣装を用いたプロモーションを展開しました。ファッションに関心のある層をテニスに呼び込む狙いで、ATPは2026年に向けて予算の拡大やインフルエンサーとの連携強化を進めています。

ブランド側にとっても、他のスポーツと比べて、テニスの持つ伝統、格式、裕福といった価値観がラグジュアリーブランドのイメージと重なります。選手をマルチタレントな人物として位置づけ、試合以外のシーンでの影響力を活用しているのです。

SNSが加速する「スポーツ×ファッション市場」

こうした関係が成り立つ背景には、InstagramなどのSNSの存在があります。

ファッションを身にまとった選手の写真や動画は選手自身や周囲が投稿し、瞬時に拡散し、話題化。ファッションやテニスが、若いデジタル世代へのリーチする手段としても効果的です。テニス界がファッションの力を利用し、逆にファッション界もテニスを利用する互恵的な関係が築かれています。

こうした動きをテニスよりも先に取り入れていたのが、アメリカのプロバスケットボールです。試合会場に到着してロッカールームに入るまでの“花道”を、選手たちはハイブランドやストリートファッションをまとい、自己表現の場として活用していました。近年は「トンネル・フィット」などと呼ばれ、撮影されることを前提とした装飾も加わり、一部アリーナではファンも楽しめるように改築する構想まで出ています。

さらに、女子プロバスケットボール(WNBA)は現在、ファッションとスポーツが交わる最もパワフルな舞台です。リーグとしてコーチ(coach)と公式ハンドバッグパートナーを契約し、ドラフト会議ではファッションを披露するオレンジカーペットも開催。個性やセンス、主張を表現するアイテムで、WNBAの選手たちはプレーだけでなく、ファッションアイコンやトレンドセッターとしての価値を高めています。

無論、それはビジネスチャンスの拡大でもあり、ジュエリー、化粧品などのスポンサーシップの機会も増加しています。また、ファッションを含めて選手の人間性やライフスタイルを知り、ファンとのエンゲージメントも深くなっています。

スポーツとファッションの融合が、世界で巨大市場を創出している

海外ではすでに、スポーツとファッションの融合が新しい市場を切り拓いています。日本のスポーツビジネスも、この潮流をどう取り込み、価値に変えていくかが問われています。

愚直な実践は続きます。

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この記事の執筆者

早川 忠宏

早川 忠宏 | Tadahiro HAYAKAWA

スポーツPRプランナー ®
Sports PR Japan 株式会社 代表取締役

13年間の記者経験と米国留学を経て広報に転身。日本ブラインドサッカー協会で初代広報担当として認知度向上に貢献し、PR会社でのコンサルタント経験も豊富。スポーツビジネスに特化した広報支援を展開し、メディアとクライアントへの深い理解を基に、ブランディング強化や認知度向上をサポート。スポーツ関連団体や企業に対する柔軟な対応で、成長を目指すスポーツ関係者から高く評価されている。

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