チャンスというのは、ありそうでないものだと思いませんか?

いつでも行けそうだとなと思っているのに限って、気がつくと1回も行っていないというのが意外と多いような気がします。

NBA、ペーサーズの試合が僕にとって、そうでした。9月のシーズン開幕から、行こう、行こうと思いながら日がどんどん過ぎていて気がつけばシーズンも中盤から終盤になっていました。先日は日曜日の昼間の試合で、しかも今週は宿題も少なめということで、車で1時間ほどのインディアナポリスまで行ってきました。

インディアナポリスはスポーツを通じた街づくりを行っており、会場のコンセコ・フィールドハウスも町の中心街にあります。

内装はブロックのレトロ調で統一されていて、異空間に入ったことを実感させます。コンコースは広く、売店ゾーンと、イベントゾーンと、展示ゾーンが分かれていて、歩いていくと風景が変わって飽きさせません。

ペーサーズと言えば、ドリームチーム2(94年世界選手権代表)にも入ったレジー・ミラーです。3ポイントの名手!

立派なものがさりげなく飾ってあります。

 

NBAの会場に行くのはおそらく5ヶ所目のはずですが、違いと言うのは結構あるものです。

○スポンサー色をあまり前面に押し出していない

以前ブログに書いたワシントンの様子「日本のスポンサーシップに駄じゃれはあるか?」と比べても、明らかに少なかったです。Steak’n Shakeというレストランチェーンがスポンサーとなって、スタンドで腰を振って踊っている観客を映す「Shake Cam」(shakeは飲み物ですが、振る、という意味もあります)というがありましたが、毎度のタイムアウトごとに、次々と違うスポンサーの企画が出てくるというわけではありませんでした。場内の看板を見渡すと、大都会に比べれば数は少ないですが、それなりに埋まっています。希望が少ないのか…。

○コミュニティー活動のPRが多い

では、代わりに何があるのかというと、一つは地元の活動の紹介が目立ちました。スポーツで成果を上げた指導者を表彰したりとか、子供の病院への寄付をお願いしたり、子供に対する本を読もうキャンペーンを宣伝したりしていました。インディアナ州と言えば、バスケットというのがアメリカの人の持つイメージです。ペーサーズはやはり街のシンボルで、そこを通じての地元の活動のPRというのはインパクトが違うのでしょう。チームにもそういった自覚があるのかもしれません。

○マスコットが大活躍!

Boomer と Bowserという犬と猫のマスコットが、コート上でもスタンドでも大暴れします。この日は、ブルズやボブキャッツという違うチームのマスコットも応援に来ていました。ハーフタイムには曲芸ダンクを披露するし、チアリーダーと一緒に踊ったり(しかも、かなり動きにキレがある)、難しい顔をした警備係をいじったりと好き放題。スタンドに上がれば、ひっきりなしに観客からサインや写真を求められ、並みの選手よりも人気者かもしれません。チームのHPにも専用コーナーがあります。マスコットの動きを追う観客からは「Cute!」とか「Oh、Funny!」とか、スポーツの会場ではあまり聞いたことのない声も。でも、そのくらい存在感があり、会場を沸かせる役者なのです。

 

これらの特徴から浮かび上がってくるのは、「温かさ」だと思います。

お金を稼ぐことにガツガツするよりも、お客さんを笑わせる、楽しませる、ファンになってもらうという心の結び付きを重視している姿勢が伝わります。コンコースでは、カリカチュア(似顔絵)や、バルーンアート、フェイスペインティングなどを子供向けに無料でやっていて、長い列ができていました。日曜日の昼間ということで、子供を対象にした出し物を数多く用意したと考えられます。バスケットボールの試合を主要コンテンツにしたミニテーマパークといった様相です。

ここで半年以上を過ごし、インディアナ出身の人たちには温厚という印象を持っています。この試合でも、試合開始から全開という感じではなく、ブーイングや指笛も少なく、熱さではなく温かさが場内を包んでいました。試合は延長に入り、ブザービーターで負けましたが、「まあ、いい試合したし、しょうがないよ」というムードです。こうした観客の気質に合わせて、チームもいろいろな活動を考えているようにも思います。

スポーツビジネスを学んでいる身としては、うまくお金を稼いでいるなと感じる場面を見つけるのも興味深いですが、このように、心のつながりというか、ファンになってもらおうという気持ちが伝わってくるのもいいなと感じました。