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それでも、スポーツマネジメントを学ぶ理由

13.6.6

前回の更新から日がたってしまいました。

実は、前回の記事はひとつの実験でした。こういうアイデアが、実際に現場の最前線の人に届くかどうか、試してみようということで、トップページに留まるよう(トップページは一番よく見られており、検索にも引っかかりやすいので)意図的に更新を止めてました。現場の方が読んだようなので、このトライアルは終わりにします。実際に使われるかどうかは、その人たち次第ですが。

 

今日の話題は、がらりと変わります。

いくつかの現場を訪れて、以前お世話になっていた方々と話したり、ボランティアなどの形で現場を助けたりしています。

留学する前に比べて、日本はスポーツの現場で働きたいという人が増え、その機会も多く与えられていると思います。これは、素直に良い事だと思います。例えば、Jリーグの試合会場に行って見て下さい。幸せそうな、元気な顔をしているのはお客さんだけではありません。たくさんの職員やボランティアが生き生きと一生懸命働いているのが目に入ります。「Jリーグのチームがこの町になかったら、この人たちはどんな毎日だったんだろう」と、ふと考えたりします。

僕が以前から関わっている日本ブラインドサッカー協会もそうですが、社会人として立派な経験を持った方が、その仕事の能力を活かして、スポーツの現場に関わることでよくなっているのも実感します。スポーツ業界の求人は激しい競争倍率で、選ばれた人は素晴らしい実務能力をスポーツ業界に持ち込んでいると思います。

スポーツマネジメントを学ばなくても、スポーツ業界で働くことはできます。他の会社や団体と交渉して、話をまとめたりする能力も活かせますし、総務や人事などの経験も応用可能です。実際、それで結構現場は回っていきます。そこで、ふと考えました。それでも、スポーツマネジメントを学ぶ理由は何かと。特に、僕らのように大学という高等教育の場で学ぶ意義は何なのかと。

 

僕は何を学んできたのか、と改めて振り返ってみました。クラスの中で、テストの中で、何度となく聞かれたのが、これでした。

「あなたの考えは?」

それから、何か言う時には、経験則ではなく、統計的なデータや理論、さらには自らが調査をデザインすることが常に求められていました。思いつき、はダメなのです。

すなわち、

スポーツの現場において、根拠を持って、局面を打開するアイデアを高い精度で打ち出せること

が訓練の主眼だったと思います。

アメリカの大学院にも他の仕事をしていた人が何人もいましたが、そうした人たちにスポーツに特化した考え方を教えているようにも見えました。

 

留学するよりも前に、あるプロスポーツチームの職員がこのように批判していました。「アメリカで勉強してきたくせに、頭でっかちで使えないヤツがいた」。しかし、アイデアを生み出せる人が、必ずしも実行能力があるわけではありません。両方を兼ね備えている人がリーダーとして組織を引っ張っていくのでしょうが、そんな人はどこの業界でも貴重な存在ではないでしょうか。「使えない」というのは、実行できないということだと思いますが、大学や大学院では現場のトレーニングはインターンとして数ヶ月行う程度です。経験を積めばできるようになること(例えば、機械の操作とか、印刷物を作るとか)というのは、わざわざ時間を取って学ぶ必要があるとは高等教育機関では考えられていません。他の業界を見れば、シンクタンクやコンサルティングのように作戦の立案やアイデアを提供するだけで、実際に行うわけではない職業が成立しています。考える人と実行する人は別ということです。日本のスポーツ業界はまだ、分業するほどまで発展していないのかもしれません。

アイデアのない人が50人集まったとしても、物事は何も進みません。「何か、指示してください」というところで止まる。そんなような場面を経験したことはないでしょうか?例え外しても良いから 「こうしたら良いんじゃない?」と言うことが、物事を進めるには大事だと思います。スポーツ業界も同じこと。局面を打開するアイデアがなければ、よくて現状維持で、変化に対応できなければ沈んでいきます。逆に言うと、スポーツの現場にいられるだけで、なんとなく汗をかいているだけで満足していては危ないですよ、ということです。

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