今回はスポーツ観戦についての話です。

長年にわたって、人類はスタジアムで集まってスポーツを見るということを楽しんできました。一斉に声を出したり、選手に声援を送ったり、横断幕でメッセージを伝えたり、お酒や食べ物を楽しみながら見たり、という喜びを味わってきました。今回のコロナの影響で、このスタジアムに集まるという行為が危険と見なされる状況が訪れ、制限されました。それだけに、「やっぱりスタジアムで観るという体験は特別だ」と、なくなって改めて認識した人もたくさんいるはずです。

そして、スポーツの歴史を振り返った時に、テレビというメディアの登場は非常に大きなインパクトがありました。スタジアムに行けなくても、遠いところに住んでいても、生放送で見ることができる。その価値がどれだけ高いかは、放送権料の高騰という経済面で見ることができます。近年ではインターネットの発展により、電波を使った放送の代わりにインターネットを使った配信サービスも台頭してきました。ただ、トップダウン的に大量に多くの人にばらまくというスタイルは、楽しみ方として、テレビと大差はないです。スマートフォンやタブレットで、どこにいても見られるというメリットはあるかとは思いますが。

 

私の読みとしては今後、

リアルな場で見ることと、放送(配信)の間のメディアが発展する

と見ています。

 

今回のコロナの問題が発生したことで、「オンラインミーティング」を世界中で数億人が体験しました。私はその何らか進化したものが、スタジアムで観戦することと、放送や配信の間のメディアとして新たな機会を提供していくと予想しています。まだ形は全然見えていません。どうなるのかも全く分かりません。

以前から言われていたことは、5Gの技術を使えばもっと臨場感あふれる形で遠隔地に伝えられるということでした。AR、VRなども加味した「バーチャル観戦」です。それに「オンラインミーティング」の双方向性が加われば、新しい観戦体験を提供できます。試合の現場にいる人や同じように見ている仲間と繋がれることは人間の欲求を満たしています。今でもテレビで生放送を見ながら、Twitter上でやり取りするといったことはありますが、もっと快適なもの、もっと楽しめるものができてくるのではないか、と予測します。何千人、何万人が一か所に集まってみることが安全だとなるには、年月を要するでしょう。その間に、プロスポーツを維持するには収入を得なければならないことから、バーチャル観戦が成り立つようにするビジネス的な必要性があります。また、スタジアムの収容人数以上に稼げる可能性が出てくるのは大きな魅力です。特に、スタジアム外にいるファンの歓声や反応をスタジアム内に届けられる優れた仕組みを開発すれば、選手のやりにくさなど、今困っていることの劇的な解決になるに違いありません。

 

しかし、今の時点で、大きな資本を持ったところでは、急に変わることはやりにくいかもしれません。高額な放送権料を受け取っているのに、わざわざ止めにくいということもあります。したがって、今の時点ではあまりその力を借りていない競技や団体で、思い切って新しいことをやっていくチャンスがありそうです。自前でオンラインで配信する組織、もしくは同じ競技をする選手の集まりの中から発展していくかもしれません。

 

このシリーズの2本目で書いたように「個の発信力がさらに力を増す」という流れもあります。その力を増した方が発信者側にも受け取る側にもいて、そこが交流する場、そういう「オンラインミーティング」が隆盛し、楽しまれるものになり、マネタイズされると見ています。