「自分が関わっているスポーツを、もっと多くの人に見てもらいたい」。

 

「なんで、この面白さがわからないかな?」

 

友達に熱く語ったのに、「ふーん」と流された。

 

スポーツイベントに集客したいのに、Twitterに何を投稿したらいいのかわからない。

 

こんな悔しい思いをした人はいませんか。

 

でも、大丈夫です。
すでに、その研究をやってくれている人がいます。

 

齊藤隆志(2013),観戦行動の概念枠組みの検討─観るスポーツの文化価値創造マネジメントを視野に入れて─, 日本女子体育大学紀要 43, 117-127, 2013-03

 

こちらの論文にある、以下の分類に当てはまる内容を考えていけば、的を外さないで、スポーツ観戦に必要な知識を提供することができます。

 

別の論文(佐藤臣彦(1996)体育とスポーツの概念的区分とその考察.いばらき健康・スポーツ科学,15:46 – 56.)で、スポーツ本質は身体的契機,知的契機,感性契機から構成されるとされており、その三つの契機それぞれに当たる知識があります。

 

▶身体的契機に関する知識
<スポーツ種目ごとの固有の運動形式,技術的要素など>

 

これは、伝えたい相手が、まったくスポーツに明るくない人の場合、若しくは、伝えたいスポーツがほとんど知られていない場合に、特に大事になります。
基本の動作の呼び名は、パス、ドリブル、シュート、アタック、ヒッティングなどいろいろありますが、そういう専門用語を使わずに説明できるともっといいでしょう。
さらに、「うまい人は○○ができます」「こんな動きの特徴があります」のような内容もあります。

 

▶知的契機に関する知識
<ルール,戦略・戦術に関わる作戦様式,スポーツ器具,用具の改良や操作法,トレーニング方法など>

 

どうすれば勝ちなのか。どうやったらポイントが得られるのか。何点取れるのか。伝えたい相手によっては、こんな基本的な話からしなければならないこともあるかもしれません。そこは、丁寧に。そして、他のスポーツをよくわかっている人にはその例を用いるとわかりやすいです。例えば、フットサルの攻め方はバスケットボールのようにパターンを決めて使っていますなどです。
用具が馴染みのないものだと、その説明も大事です。ラケットならイメージが沸くかもしれませんが、カーリングのブラシにどんな意味があるのかなどは説明したいです。
「○○だと有利」とか、攻守の駆け引きがどのように行われているのかも、わかっていると見やすいです。

 

▶感性的契機に関する知識
<美的あるいは倫理的価値観に関わる芸術性やスポーツマンシップなど>

 

試合中の礼儀作法のようなものです。卓球では試合前に相手のラケットをチェックします。サッカーでは試合を再開する時に相手にボールを渡す時がありますが、それはなぜか。ゴルフのスコアは自分で書く。こういう不正がかつて大きな問題になった。そんな話もできそうです。そもそものスポーツの起源にも関係があります。

 

スポーツ本質から考える三つの知識に加えて、もっと詳しく、その試合に焦点を当てた知識が二つあります。

 

▶プレイヤーの競技力に関する知識
<出場するプレイヤーやチームが現在・過去にどの程度の能力を有しているかを事前に知っていること>

 

まず、戦績,記録です。プロのスポーツだと、自動的に集計されて、主催者がホームページ等に掲載しています。メディアが独自に発表するものもあります。数字で見られるものが多いです。野球の打率なら3割を超えていると優れていると見なされるなど数字の見方も合わせて伝えられると、よくわかります。
一方で、数字ではなく言葉で表される知識もあります。「読みがいい」など、数字には表れにくい能力として何が優れているのか。練習方法、フォームなどありますし、選手としてのエピソードや出来事などもあります。日本代表とか、メダリストなどの肩書きが助けになることもあります。

 

▶スポーツ現象に関する知識
<当日の試合の見どころと言われる,観察ポイントについての知識>

 

まず、個人なら、試合の勝ち負けを左右しそうなところを挙げます。過去の対戦成績などもあれば、左利きなので○○のようなポイントもあります。
予想フォーメーション,スターティングメンバーやキーパーソン(注目選手),監督の采配傾向などチーム内の複合的な要素があります。
また、試合に影響を及ぼす外的な要因、例えば、グランドコンディションなどがあります。風上が有利なスポーツもありますし、芝生の状態、気温などでプレーや戦術も変わってきます。

 

思い付きだと、抜け漏れが起きやすいです。情報発信をする前に、まず、伝えたい相手がどんな人なのかを確認すること。そして、表を用意して、上記の5つの分類ごとに伝えたい内容を書き込んでみるといいでしょう。