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スポーツマーケティングは、4Pではなく7P

10.10.26

日本で取材の仕事をしていた時に「もっとたくさんの人に見てもらいたい」という現場の声をよく聞いていたことが、スポーツマネジメントについてもっと勉強しようと思った直接のきっかけでした。自分の書いた原稿が話題を呼んで、報道陣が増えたり、観客動員に貢献できたことはすごくうれしかったですしね。

その時に重要になってくるのが、マーケティング。定義は諸説ありますが「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその商品を効果的に得られるようにする活動」となります。
さて、マーケティングを少しかじったことがある人なら、「4つのP」というのは基本として知っているかと思います。
それが、サービス業の場合は「7つのP」になるという説を打ち立てたのが、1981年にBoomsとBitnerという2人の学者の共同研究でした。
先日のクラスでは、この「7つのP」をスポーツビジネスに当てはめて考えるとどうなるのか、ということを勉強しました。

(1)Product
試合の中身、応援、イベント、感動など無形のものもあれば、グッズや飲食物、スタジアムなど有形のものもあります。スポーツの現場に行ってお客さんが得られるものの束というようなイメージです。

(2)Price
値段は多くを語ります。チケットの値段の調整というのは収入に直結する最大のテーマでしょう。割引などもよくありますね。グッズ代や飲食物代、駐車場代などのほか、意外と忘れられているのが、手数料や税金です。

(3)Place
商品が流通する場所のことです。Channelとも言います。チケットで言うと、球場窓口、インターネット(携帯)、チケットセンター、郵送、電話などコンタクトする方法はいろいろあります。それぞれの方法に強みと弱みがあり、どういう人を狙って、どれに力を入れるのかの戦略を立てます。

(4)Promotion
いかにして人をひきつけるかの作戦のことです。シーズンチケット、曜日ごとの割引やプレゼント、場内アナウンス、花火を打ち上げる、限定グッズ、学校訪問、託児所や授乳室の設置、最近ではソーシャルメディアでの交流なんていうのもあります。

ここまでが「4つのP」です。

 

(5)People
人の印象です。スタジアムのスタッフや売り子さんから受ける印象って、また行こうか、もっと買おうかを大きく左右しますよね。他のお客さんの雰囲気というのもありえます。例えば酔っ払った客のやじがひどかったなんていうことになると…。マスコットキャラクターもここに入ります。クラスではなかなかこの例が出てこなかったのですが、選手や監督の印象というのが客の意思決定に一番影響するだろうと教授が付け加えました。

(6)Physical Evidence
モノから得る印象とでも訳しましょうか。試合の中身とは別に、スタジアムの印象というのは大きいです(ブログにも書きましたが、先月行ったシカゴのリグレーフィールドなどは典型)。風が吹き抜けて寒いとか、直射日光があって見にくいとか。席の見やすさやシートの感触、スコアボードが分かりやすいか。そして、意外と大事なのはトイレです。

(7)Process
スムーズに事が運ぶのかという点です。チケット購入の方法、交通アクセス、シャトルバスの混み具合、地図や場内表示のわかりやすさ、待たされる時間など。

 

自分が行ってみたスポーツイベントで考えてみたり、スポーツ用品を買いに行った時なんかにこの「7つのP」を思い浮かべると、売り手のいろいろな頑張りが見えてくるかと思います。スポーツ団体にいる人などは、このフレームワークを使って、分けて考えると克服すべき点がわかりやすいと思います。

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この記事の執筆者

早川 忠宏

早川 忠宏 | Tadahiro HAYAKAWA

スポーツPRプランナー ®
Sports PR Japan 株式会社 代表取締役

13年間の記者経験と米国留学を経て広報に転身。日本ブラインドサッカー協会で初代広報担当として認知度向上に貢献し、PR会社でのコンサルタント経験も豊富。スポーツビジネスに特化した広報支援を展開し、メディアとクライアントへの深い理解を基に、ブランディング強化や認知度向上をサポート。スポーツ関連団体や企業に対する柔軟な対応で、成長を目指すスポーツ関係者から高く評価されている。

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