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スポーツPRプランナーの仕事の範疇

20.2.19

私の肩書きはスポーツPRプランナーです。この仕事で起業するベースとなったのは、アメリカの大学院で学んだことにありました。
「スポーツパブリックレーションズ」という科目も取りましたが、マスメディア対応やネットを活用した情報発信など、だいたいは事前のイメージ通りでした。それよりももっと興味深いと感じたのが、「スポーツコミュニケーション」という、より広いことを学べる科目でした。そして、今の仕事で実際に役に立っているのは、ここまで広めて考えることです。

「スポーツコミュニケーション」の定義や詳しいことは、別の記事を参照してもらいたいのですが、ここでは、私がスポーツPRプランナーとして、やっている仕事が拡大しているということを説明するために「戦略的スポーツコミュニケーションモデル」の説明から入りたいと思います。

Strategic Sport Communication Model (SSCM)

 

上の図には三つの構成要素が挙げられています。

1.スポーツにおける個人的組織的なコミュニケーション

2.スポーツマスメディア(新聞、テレビ、雑誌、ソーシャルメディアなど)

3.スポーツコミュニケーションサービスとサポート (広告、広報、危機管理広報、研究など)

そして、それらがお互いに関係している様子がモデルとして表されています。

 

私は元々「2.スポーツマスメディア」で13年間働いていた経験があり、そこから「3.スポーツコミュニケーションサービスとサポート」のアイデアが浮かび、PR会社で(スポーツ以外の分野の)広報PRや危機管理広報の経験を積んで独立起業しました。だから、創業前は「3.スポーツコミュニケーションサービスとサポート」、中でも広報PRという分野に特化して仕事をしていこうと思い、スポーツPRプランナーという肩書きを生かしていくことにしました。広報PRの仕事においては、「2.スポーツマスメディア」といかにお付き合いしていくのかは、非常に重要なことです。

 

しかしながら、実際にお客様に対してコンサルティングを続けていると違うニーズがあるということに、次第に気づくようになりました。それがこの定義の中の「1.スポーツにおける個人的組織的なコミュニケーション」に関わる仕事です。

例えば、組織のリーダーの方の多くは、組織の内部のコミュニケーションにおけるギャップに非常に苦しんでいるということが見えてきました。リーダーが思っていることと現場が意識していることがずれていたり、それによって良い変化が起きないという悩みを抱えている方もいます。「社外にいる参謀」であるスポーツPRプランナーは、そうした悩みを打ち明けられます。コミュニケーションに関する悩みを解決するためにアドバイスをすることも、自分の仕事となっていきました。

別の場面では、会議において、ファシリテーションをする仕事も求められるようになりました。これは私が司会をすることで、上司が司会をするよりも、出席者の皆さんが意見を出しやすい環境になったり、話し合いの中で生じた疑問に、他社の事例を紹介することでも役に立てます。それに加えて、でてきた話をまとめたり、要点を整理することには記者の経験を生かせ、その議事録から次にやるべきことや、決めることが見えてきます。この形でも「1.スポーツにおける個人的組織的なコミュニケーション」が活性化することに貢献できるようになりました。

つまり、スポーツPRプランナーとは、「戦略的スポーツコミュニケーションモデル」の1.2.3.全てに携われる仕事であるということがくっきりと浮かび上がってきたなと感じています。もし、「戦略的スポーツコミュニケーションモデル」を知らなければ、「それは、私の仕事の範疇ではありません」とお役に立てるチャンスを逃していたかもしれません。

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この記事の執筆者

早川 忠宏

早川 忠宏 | Tadahiro HAYAKAWA

スポーツPRプランナー ®
Sports PR Japan 株式会社 代表取締役

13年間の記者経験と米国留学を経て広報に転身。日本ブラインドサッカー協会で初代広報担当として認知度向上に貢献し、PR会社でのコンサルタント経験も豊富。スポーツビジネスに特化した広報支援を展開し、メディアとクライアントへの深い理解を基に、ブランディング強化や認知度向上をサポート。スポーツ関連団体や企業に対する柔軟な対応で、成長を目指すスポーツ関係者から高く評価されている。

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