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私なりのレポート作成法

10.12.18

お久しぶりです。

ブログも更新せずにどうしていたのかと言えば、学期末のテストに追われていました。

3科目なので、大したことないかと思うかもしれませんが、今回のテストはすべて「Take Home Exam」つまり、家でやって決められた時刻までに教授に提出という形でした。最後の講義で出題されてから1週間余り、考え続け、書き続けるという苦行です。書くのに時間がかかる自分にとっては、2時間1本勝負のテストより有利かもしれませんが、よくてもわるくても制限時間内に終わるほうが精神的には楽ではないかと思います。

テストは実践的なものでした。マーケティングなら、ある企業があるスポーツイベントのスポンサーにつくとして、必要なことをすべて(ターゲット顧客、それぞれのブランドイメージと組むメリット、交渉の際何をパッケージするか、効果の測定方法など)を検討しなさいと。こういうのが出来れば、スポーツビジネスの現場でお金をもらえますよ、と言われているような感じでした。

今回は、スポーツマネジメント留学を考えておられる読者のみなさんを想定し、僕がこういうレポートをどう書くかを紹介してみようと思います。

(1)課題が与えられたら、すぐに読む

英語を理解しながら読むのは結構時間がかかります。締め切り前日に読んだのでは、何を言っているのかわからない点を人に尋ねる時間もありません。アメリカ人ならすぐにイメージのわく人名、大会や企業についても調べたりする必要があります。このようにすぐ1日仕事になってしまうので、早めのアクションが欠かせません。

(2)考えをじっくりと熟成させる。思いついたらメモする

問いを読んですぐに答えが思いつくことはまずないでしょう。課題をいったん頭に入れて、よい考えが思い浮かぶのを待ちます。これに数日かかるので、早い段階で課題を一通り読んでおくのです。思い浮かんだことはどんどんメモしていきます。僕はまっさらなコピー用紙を1つの問いにつき1枚使って、朝でも、夜でも、思いついたときに書き込んでいきました。多かったのは、他のクラスを受けた直後とか、スポーツニュースのサイトを読んでいた時にそれがヒントになってよい案が浮かびました。その昔、大学の学部生だった時に、教授に「論文で、どうしたらよい考えが浮かぶんですか」と質問しました。その答えが「よい考えが浮かぶまで考え続けること」だったことを今でも覚えています。それから粘るようになりました。

(3)答えの「柱」を立てる

紙の上に、ある程度答えの材料が揃ってきたら、構成を考えます。英語の場合、先に「私はこう思う」と結論を言って、「その理由は3つあります」というような論理構造なので、3本(場合よっては2~5本)の論理展開の柱をどう立てるのかを決めます。その際、3つのレベル感がそろっているか。その下にぶら下げる内容の分類が合っているかなどを見ます(ロジックツリーと言います。このあたりのクリティカルシンキングを身に着けるのには、日本にいた時に田久保先生にお世話になりました)。もう一つ大事なことはクラスで習ったことをきちんと盛り込むことです。考える枠組みや大事な用語は必ずクラスで取り上げられ、それを身につけてほしいので、テストで試しているわけです。逆に言うと、答えが思い浮かばない時は、講義ノートを見直すとヒントが詰まっています。

(4)答えは一気に書いていく

枠組みが決まってから書き始めるというのが原則です。日本語でやっている時はなんとなく言い回しで押し切れるので、きちっと構成が出来ていないうちに書き出してましたが、英語ではできません。それから、一つの問いの答えは、一気に書き切るということも意識しています。途中でやめて、次の日に続きを書くとどこかおかしくなってしまうことが経験でわかっています。

(5)全体のバランスを見る。無駄を削る

一つの課題で、例えば問いが5つあったとして、問2と問3で言っていることが違っているのはよくないです。また、同じことを指しているのに、英語の表現が違っているのも混乱を招くのではないかと思います。意外と多いのが、書いているうちに弱気になったのか、orやandで余分なことをくっつけているケースです。これをすっきりと削り取ります。もちろん文法のチェックもやります。

答えの熟成に3、4日はかかりますし、答えを書くのにも2日はかかります。正直に言うと、(5)は大概、提出締切日の午前中にやっていました。

 

ちなみにですが、これらの論理的な文章を書く力は、記者時代の書く力とは別物です。スポーツの記事はインパクトのある事実を集めることと感情に訴えることが大事で、論理的思考力はあまり求められていなかったように思います。僕のような感性に思い切り頼って生きてきた人間でも、論理的思考力は習得することができます。

今回はスポーツとはあまり関係のないテーマでしたが、たまにはこういうのも書いてみたくなるんですよ。

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