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信頼の貯金

11.4.14

今回書く内容は直接スポーツには関係ないのですが、仕事の進め方や生き方に関係することなので、忘れないように書いておきます。

最近、「信頼の貯金」というのを感じる場面がいくつか続いたので。

今週のクラスでは、グループによるプレゼンテーションがありました。今学期が始まった1月から準備をしてきたものでした。僕のグループは4人いたのですが、そのうちの2人が残念ながら意欲的ではなかったんです。元々、この科目の必要性をあまり感じていないけど、卒業要件なので取っているということでした。

だいたい、グループワークは、与えられた課題をそれぞれの担当部分を決めて分割してある程度進め、その後持ち寄って、付け加えたらいいことや、別の見方や、もっとうまく説明する方法などをお互いに指摘するという形で進めます。しかし、2人が自分の担当部分をなかなかやってこない。ミーティングのたびに言い訳と、今度はやってくるから、と言うだけ。僕だったら、やることやらずに手ぶらでミーティングに出てくること自体、ありえないのですが。こういう時に、怒らせず、うまくやる気を出してもらえる言葉を言えればよかったのですが、正直、苛立ちもあって、どうにも出てこない。やっと出たのは「その部分はあなたの責任だ」という直接的な表現だけでした。確かに正しい主張なのですが、その後も態度は変わらず、相手の心に届いてはいませんでした。

何が足らなかったのか、と言えば、その2人に対する「信頼の貯金」だったと思います。もっと早い段階から、話をいろいろしたりして、自分のことをもっと伝え、心のつながりをつくっておくべきでした。そうすれば、同じ言葉でも、響きが違っていたのではないか、最後の発表でももっとよい出来になったはずだ、との後悔があります。

インターン探しもかなり苦戦しています。クラスメートはほとんど行き先が決まっているので、遅れているのは否めません。これも、自分にはこの国で自分の力を証明してくれる人が非常に少ないということがあります。普通は、ボランティア活動で参加した組織や、今のアルバイト先の人らが、仕事の能力を証明してくれたりするのですが、僕にはいません。英語がどのくらいできるかもわからない外国人を採りにいくのは、よほど必要がない限りはやらないでしょう。自分が申し込みをしている組織と自分の間に入って僕のことを説明してくれる人。そういう人に対する「信頼の貯金」が足りないのだと思います。粘り強くやっていくしかありません。

先日、僕がインディアナ大学に進学するきっかけになってくださった方と再会することができました。自分の大学時代の教授から紹介を受け、その方に校風などを聞き、さらにスポーツの勉強をしている別の日本人学生を紹介していただき、学べる内容がわかりました。この「人の紹介」というのは、それぞれの人の間にある「信頼の貯金」の連鎖に他なりません。それが僕の人生の進む道、こちらに来てからのあらゆる経験、考え方の変化などに広く影響しているわけです。

記者時代は所属先の看板が信頼となり、人に会うことはかなり有名な方でもさほど難しくありませんでした。しかし、今はそうしたものもなく、これまでに貯めた「信頼の貯金」と人のつながりだけが頼りです。ありがたいことに、会社を辞めた後も、快くさまざまな支えになっていただいている方も少なからずいます。そして、毎日の人との接し方、振る舞い、発言などすべてが問われているということも痛切に感じます。別に、こわがって身動きが取れなくなるわけではありません。「信頼の貯金」をためられているのかは、どこか意識の片隅においていますね。

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