前回のネタはあまりに反応が薄かったので、その続きの話である今回はひっそりと更新します。

アメリカでは、「なぜ今、大学院でスポーツマネジメントを学んでいるのか」と単刀直入に聞かれることが多々あります。初めて会った人でも、どーんとこの質問を投げ込んできます。

これが、自らの仕事の方針を考える、とりわけ、言葉で表現する、非常によい機会となっています。きちんと伝われば、信頼を得られるし、何らかの協力をしてもらえることもあります。僕はこういう大事なことをもったいぶったり、照れくさかったりで言わないのは、つながるチャンスを失うことになり、もったいないと思っています。

こちらに来たばかりのころは「記者として、世界のいろいろなスポーツを見て、問題点に気づいて、とりわけ日本のスポーツ界は大変なことが多くて、その解決策として…」のように説明が長ったらしかったのです。しかし、その後、いろいろなことを勉強したり、見聞きしたり、周囲の人と交流を深めたりするなかで、思いが浮かび上がり、言葉も変わっていきました。

スポーツマネジメントにも様々な仕事(人事、財務、マーケティング、広報、試合のオペレーションなどなど)があるわけですが、「異なる文化をスポーツを通じて交流することに主に携わりたい」と思うようになり、そう口にするようにもなってきました。英語では「build brideges between different cultures through sports」と言っています。これは、周囲の人、特にアメリカ人から「せっかく日本の言葉もできて、文化のバックグラウンドも持っているのだから、それを使わないのはもったいない」と何度か言われたことがきっかけになっています。

様々な経験談なども聞いて、仕事の種類としては、広報やマーケティングに携わりたいというのも固まってきました。そして、この両方にまたがるような研究分野は「スポーツコミュニケーション」と呼ばれています。スポーツマネジメントの中でも比較的新しい分野で、インディアナ大学は、この分野をアメリカ中で最初に重点を置いて教え始めたプログラムといっても過言ではありません。スポーツコミュニケーションのアカデミックジャーナル(論文を掲載する雑誌)の編集責任者がいます。これに関するいくつかのクラスもとって、自分の関心を掘り下げています。

それと、記者の仕事を離れてから、それでも自分は「物事をわかりやすく人に説明することに人並み以上のこだわりがある」という特徴に気づきました。

どうやったら日本の事情を英語でわかりやすく説明できるかをよく考えているし、クラスで英語でプレゼンテーションするときも、発音の悪いところをカバーするためでもあるのですが、図表や動画、見出しなどビジュアルを追求します。先週書いた「フットボール初心者向け観戦会」のようなものに熱心に取り組むことなど、典型的です。そして、学んだこと、感じたことを書いているこのブログも、間違いなく、この自分の特徴が現れていると思います。

あっちにいったり、こっちにいったり、止まったり、深めたり。常に心の中に置いて、留学を始めてから1年以上という長い時間をかけて、「なって、どうしたいのか」を探り続けてきました。そして、ようやく出てきた言葉がこれです。

 

スポーツに関わるコミュニケーションをやさしくすること

 

やさしくには「易しく」と「優しく」の両方の意味を持たせています。いずれにしても、相互理解を深めることにつなげたいのです。相互というのは、スポーツ組織内部の人と人、でもあり、スポーツの世界である組織の中の人と外の人との関係でもあり、また、スポーツとそれ以外の分野とのかかわり、でもあります。もちろん、いろいろな文化のバックグラウンドを持つ人の間のコミュニケーションということも意識しています。

広報やマーケティングで、メッセージを伝える時、組織の中で自分が一員として仕事をしていく時、ほかの分野の人と力を合わせて何かをやっていく時、常に意識するのに、よい言葉を見つけることができたと思っています。

このブログやツイッターのプロフィールも、これに合わせて変更しました。「やさしくないじゃないか」とだけは言われないように頑張ります。